チームで働くプロジェクトを進めていくと、徐々にメンバーの仕事の進め方に差が出てきます。「仕事の先送り」をするメンバーに対しては「進捗の見える化」が効果的です。
チームでプロジェクトを進めるとき、問題になるのは何といっても進捗管理です。スタート時に満ちていたメンバーのやる気も、進行するにつれだんだんと熱気が冷めていき、進捗も遅れ始めます。
遅れが出るだけならまだマシです。進めることが困難なプロジェクトになると、数名のメンバーが「プロジェクトを放置する」ことも起こり得ます。それぞれのメンバーにとっては「仕事の先送り」に過ぎないのかもしれませんが、結果的にプロジェクトが中断します。
このような状況を回避するためには、メンバー全員のタスクを見える化することが重要です。具体的には、
というやり方で対応します。
突き詰めていくと、人はまず「今日やれるかどうか」を判断します。というよりも、それしか判断できなくなります。
筆者自身、例えば9万字の書籍原稿を3〜4カ月で書くというプロジェクトを実行することがあります。しかし、「1カ月に3万字ずつ書けるか?」と問われても即答できません。「週に8000字ずつ」でも分かりません。でも、「今日、この一節の1500字を書けるかどうか」であれば判断できます。
その日が「家族サービスで早朝からディズニーランドに行く」のであれば書けません。「ムスメが発熱して半日を病院で過ごす」ならば無理です。しかし、「娘を病院に送迎するものの、病院では妻が見てくれる」のであれば書けるでしょう。その代わり、「ブログ記事を書く」というタスクは犠牲にすることになりそうです。
同時に複数のタスクを抱えていたり、1つのタスクでも先のことを考えながら実行しなければならないという人も多いでしょう。でも、「今日はこれだけ! それ以上やるなどとは考えない」と決めれば、案外と仕事はできます。あとはそれを何回繰り返せるかです。
長期計画の進行は、「今日1日をしくじらない」ということと、「しくじらない日を締め切りまでに何日もうけられるか」で決まるものです。
筆者は、なかなかはかどらないプロジェクトを解決するために、タスク管理ツール「Asana」に「今日1日でこのプロジェクトについてやること」をかき集め、それ以外のプロジェクトを追い出すようにしています。
Asanaは元Facebookのエンジニア2人が作ったWebサービスです。プロジェクトごとにタスクの色分けができ、複数のスタッフと共有も可能です。Asanaを使わなければダメということではありません。「今日は、これ以上タスクを増やさなくても大丈夫だし、決して増やす必要はない」という一線を明確に引ければいいのです。
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