3S会議では、ホワイトボードに図でアイデアを整理していきます。
前述したとおり、図解で情報を整理する最大メリットは、誰もが全体のしくみや構造が一望できるところです。複雑な議論も「モデル化(単純化)」することができ、問題の原因や注力すべきポイントなど本質的な議論がしやすいメリットがあります。
モデル化とは言い換えれば「パターン化」。テーマが違っても同じパターンで解けるという問題は非常に数多いのです。日頃から情報を図で整理している人たちは、どのように複雑なテーマでもシンプルに整理しなおすことができるのです。
また、口頭でやりとりしていると言葉の齟齬(そご)が生じやすいという問題があります。言葉は政治家の答弁と同じで、解釈次第でなんでもできるのです。どういう定義で、何を示しているのかをいちいち確認しておかないと危ないです。
個人による解釈の余地をなるべく残さない、それも図解思考の大きなメリットの1つです。
さて、今回は3S会議のスタイルを簡単に紹介しました。ホワイトボードとスマホがあれば、誰でもすぐ始められます。くどいようですが、あらゆるところにホワイトボードを設置することが肝心です。壁全体をホワイトボードにするなら、なおさらベターです(うちの会社はそうしています)。
次回からは、どのように議論を整理して図解でまとめていくのか、そのルールや事例について解説したいと思います。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
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