人間の集中力が続くのはせいぜい20分程度。会議によるアウトプットを重視するならホワイトボード前での立ち話で終わらせるのが正解です。
この連載は書籍『たった15分で話がまとまる-図解思考の会議』(KADOKAWA中経出版BC)から抜粋、再編集したものです。
ベストセラー「図解思考」シリーズの最新作は「会議」! これからの生産性を左右するのは、ホワイトボード上で議論を見える化、少人数、短時間で集中して議論する新しいスタイル! あなたの会社とあなた自身の評価がグンと上がる最強のミーティング技術を身につけてみませんか?
前回は、「伝統的な『大きな会議』がどうしてダメなのか」を徹底して洗ってみました。意思決定スピードと創造的な意見が出るミーティングが行えるかどうかは、企業にとって生命線です。生産性の低い会議は、業績の悪い企業の象徴でもあるわけです。今回は、そんなダメ会議のスタイルの真逆を行く、新しい会議スタイルを提案します。
筆者が提案したいのは、従来型の形式にとらわれた会議ではなく、もっとコンパクトで効率の良い会議のスタイルです。これまでの常識的な、参加者が多くて長時間の会議に代わる新しいミーティングのかたちです。
これまでの会議の無駄を省き、真に創造的なことを議論できる場を作ることができれば、あなたも参加者も、そして会社もみなハッピーになります!
筆者は、生産的で新しい会議のスタイルを、その特徴である「少人数(Small numbers of attendees)」「短時間(short time)」「ホワイトボード前で立って行う(Standing in front of the white board)」という3つの頭文字から「3S会議」と呼ぶことにしたいと思います。
人の集中力が持続するのはせいぜい15分から20分程度です。
例えば、世界的に高いクオリティで知られるTEDのプレゼンテーション(18分が基本)、元Appleのエバンジェリストのガイ・カワサキが提唱するプレゼンの最適フォーマット(スライド10枚で20分以内)、子供が1つの遊びに夢中になれる時間(約20分程度)……。そのどれもが15〜20分の間に収まります。
会議も同じです。集中して成果を出すのであれば、15〜20分が最適です。会議後の情報共有や確認をする時間を入れても30分が限度でしょう。それ以上やっても思考能力は鈍くなる一方です。むしろ、短い時間に課題を押し込めることによって人々は集中し、脳みそに汗をかき、創造的な作業にのめり込むことができるのです。
仕事だけでなく、スポーツや趣味、学習など成果を生むためには集中が欠かせません。集中は大きな成果を生むためには必須条件です。これは「没頭」と言い換えることもできます。
人は、ある対象に「没頭」すると、普段は見られない能力を発揮できます。この没頭体験は、ことわざで言えば「火事場の馬鹿力」、心理学の世界では「フロー体験」などとして知られていますよね。
一番、成果の出やすい集中できる時間を会議の基本ユニットにすえる、これが3S会議の時間の考え方です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.