新天地を求めて転職したものの、入社してから「こんなはずではなかった」と頭を抱える人も多い。そのような失敗を招く5つの思い込みとそれを避ける方法を紹介する。
日本人は一度入社したら、できるだけその会社で長く働こうとする国民である。特に男性は1社あたり13.2年と他の先進国と比べて最も長く、その長さはアメリカ男性の4.7年と比べれば3倍近い。しかしこの裏には、入社後に不平や不満を抱えながらも「忍耐強く働き続けている」、そんな現実も多いように思う。
1つの会社で気持ち良く働き続けるためには、入社前の段階で「会社との相性をしっかりと確かめておくこと」が重要だ。ただ残念なことに、間違った思い込みにより相性確認が不足したまま入社してしまう人も多い。
今回は、「転職後に後悔する人にありがちな5つの思い込み」と「相性の良い会社を探す方法」を紹介したい。まずは、後悔する人にありがちな5つの思い込みから。
転職先を選ぶ際、成長できそうだからという理由ベンチャーを選ぶのは危険だ。もちろんチャレンジできる大企業もあるが、労働力を搾れるだけ搾り取るベンチャーもある。教育や仕事のノウハウを持たず、目の前のことに対処していくだけで精一杯のベンチャー企業はあなたの貴重な時間を奪うだけなので要注意だ。
20代の若い人は特に働く仲間を重視する傾向にある。働く仲間と気が合うか、仲良くやっていけるかというのはもちろん重要な要素ではあるが、ビジネスにおいては友人を作るような、好き嫌いという視点で見るのではなく、「信頼に値する人材か。ビジネスマンとしてのスキルは高いか」を理性を働かせながら限られた時間の中で見極める必要がある。
良し悪しは会社そのものにあるわけではない。なぜなら会社というのは組織であって人間性を持っているわけではないからだ。問題はその会社にいるのが良い経営者か悪い経営者か、ということである。
経営者が良いと社員も良くなり、結果的に会社も良くなる。ビジネススキルと人間力を併せ持つプロ経営者、もしくはそうなりたいと努力している経営者に巡り合うことが必要である。決して経営者は遠い存在というわけではないのだ。
会社とは「関わる人々が幸せになる道具」である。人を幸せにできない会社は目先が良くてもいずれ淘汰される。それは目的が間違っているか、商品やサービスが人に必要とされていないからである。世の中に必要とされている商品やサービスを提供している会社で働く方が"やりがい"につながる。
複数社から内定が出て甲乙付けがたい場合、「えいっ!」と直感に頼って決めてしまうと失敗しがちである。最後の最後まで情報収集を怠らず、確率的に相性が良いと思える会社をロジカルに選ぼう。
以上のように、間違った思い込みが理由で、組織と相性が合わず苦労した人をたくさん見てきた。では、自分と相性が合う会社をどう探していけば良いのだろうか。その方法を端的にまとめてみよう。
まず、成長の機会は組織サイズでは選べないので、とにかく気になる会社には積極的に応募してみよう。比較対象が多ければ多いほど、相性の良い会社を選べる確率は上がる。
次に信頼できる仲間を見つけるには、仕事ぶりを見るのが1番だが、面接ではそれはできない。なのでその際、人事や現場担当者に深めの質問を1〜2個準備しておこう。「最後にご質問は?」と聞かれたら、「●●(面接官の名前)様が感じる御社での仕事のやりがいや働く目的についてお聞かせいただけたら幸いです」といった、失礼に当たらない程度の本質に迫る質問をする。
その会社が人を幸せにできるか、提供するものが必要とされ続ける商品やサービスかの見極めは、その企業を研究して調べる必要がある。現在では企業の評判は社名をWebで検索するだけで簡単に調べられるので、そう難しいことはないだろう。
良い経営者と悪い経営者を見極めるためにはどうしたら良いか。それには最終の社長面接まで進み、経営者と直接話して人柄に触れてみるのが最善だ。決して自分から辞退して縁を切るようなことをしてはいけない。迷うのは内定が出てからで良いのだ。
ついに、オファーが出たら、最後の力を振り絞って企業分析と情報収集を行おう。客観的な話を聞くためには、転職エージェントを活用して転職活動を行うのが効果的だ。
転職活動を行う際に押さえておくべき前述のポイントを5つにまとめると次のようになる。
書いてみると当たり前のように思われるかもしれないが、当たり前の事を当たり前にやり続けることが、相性の良い会社に巡り合える最良の方法なのだ。
※この記事は、誠ブログの転職失敗者がおちいる5つの思いこみより転載、編集しています。
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