知っているようで実は知らない――「総務」ってどんな仕事?新人・若手担当者のための総務の仕事術(2/2 ページ)

» 2014年10月07日 11時00分 公開
[企業実務]
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IT化の歴史と総務の仕事の移り変わり

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 1980年代に誕生したPCは、それまでの汎用機とは異なり価格が安く、小さな会社も購入が可能になりました。そして、ハードの普及という環境が整うことで、ソフト市場の将来性も一気に広がりました。

 1981年に米国でマイクロソフト社が設立され、今年で33年が経過。いまではPC市場ではトップシェアのOSである「Microsoft Windows」は、IT環境を一変させる大変革を巻き起こしました。

 現在では、スマートフォンやタブレット端末で「いつでもどこでも誰でも」ネットを使いながら、会社の情報を取り出したり共有したりすることを可能にする「クラウドコンピューティング」の世界が実現しています。

 さて、私自身の総務職としての職歴は、このIT化の歴史とほぼ重なります。最初に職業人として計算に関わる仕事に使っていたのはそろばんでした。その後、すぐに電卓になりました。やがて、文書を作成するための専用機であるワードプロセッサーや会計処理の専用機等が登場して、事務作業が徐々に省力化できるようになりました。そしてパソコンの出現です。この頃から、事務作業の効率化と併せて社内のペーパーレス化が進みます。コピーという作業もだんだんなくなっていきました。

 今では、外部からの電話に関する各社員への伝言やお互いの業務スケジュール、仕事の進捗(しんちょく)管理、社内報、会議の予定や議事録、社内書類は、グループウエア上に置かれています。また、社員間のコミュニケーションは、電子メールやグループウエアによる伝言などが普通になっています。

 こうしたコミュニケーションの変化は、人間(関係)を取り巻く環境の変化でもあります。そこに、新たな課題や問題が発生してきます。

これからの総務に求められること

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 環境に対応して業務のやり方やあり方を変化させると、さらに次の課題や問題が発生します。つまり、常に変化への対応を求められるということです。

 今後10年の経営環境を考えると、総務を取り巻く環境は加速度的に変化すると思われます。新しい時代に対応できるスキル、知識がますます必要になるのです。ですから、総務担当者は、いままで以上にアンテナを張り、感度よく世の中の動きを知ることが必要です。そうして、会社という組織とそこで活動する人が、より動きやすく働きやすいようサポートすることが求められています。

 それこそが、サービス部門としての総務が果たすべき役割=仕事といえるでしょう。

著者プロフィール:森口ひろみ

株式会社 ファースト・アシスト代表取締役。社団法人日本産業カウンセラー協会 産業カウンセラー。1969年4月大西公認会計士事務所創立とともに入所。1971年より同事務所発展による事業拡大により総務職に就く。総務主任、総務課長、総務部長を経て、1989年10月株式会社第一会計設立とともに取締役総務部長に就任。2002年4月株式会社ファースト・アシスト代表取締役に就任。現在は総務職としての経験を生かし、クライアント企業の中期経営計画の策定、間接部門の確立・コンピテンシー人事制度の導入などを中心としたコンサルタント活動のかたわら、講演活動や女性経営者としてさまざまな異業種交流団体での活動を行っている。


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