1月から12月までのすべての取引の入力が終われば、やっと「確定申告」の準備に入れる。これまでは「取引の入力」が面倒だったわけで、クラウド会計ソフトで自動化(半自動化)してしまえば、白色申告は怖くない。なぜなら申告書類はもうできているも同然だからだ。
どのくらい簡単かといえば、指示に従ってボタンを押し、いわれるがままに必要事項を入力していけば、あとは印刷するだけの状態の「収支内訳書」と「確定申告書」がPDFで完成する。
家事按分の計算もやよいの白色申告オンラインにお任せだ。課税所得を低くするための各種所得控除も「受ける」か「受けない」かにチェックを入れていく。必要に応じて支払った生命保険料などの金額を入力すれば、控除額は自動的に計算される。用語の意味が分からなくても、ほとんどすべての項目に付いている「?」マークにマウスカーソルを乗せれば、解説がポップアップする。
「固定資産」の処理は、会計知識が求められる分野だが、この処理もおもしろいほど自動化されている。大前提として、10万円以上のPCやデジタルカメラなどを購入した場合、それは「消耗品」として処理してはいけない。会計上は固定資産として登録し、購入した種類ごとに決められた年数をかけて減価償却という処理をしなければならないのだ。
では、クレジットカードで購入した25万円のノートPCを「消耗品」として登録していたらどうなるだろうか? 確定申告書を作成するとき、やよいの白色申告オンラインは「10万円以上の消耗品」という矛盾を検出し、確認を求めてくる。このタイミングで固定資産として登録し直なおせばOKだ。
これで2014年度の白色申告の準備は無事終わるはずだ。日々の取引をクラウド会計ソフトに入力し、12月に年度を締めたら確定申告の書類を作り、帳票や帳簿は保管しておく。よく考えてみると、記帳と帳簿の保管が義務化された白色申告の作業はほとんど「青色申告」のそれと変わらないことに気付く。
「青色は複式簿記だし……」というとハードルが高く感じられ、思わず身構えてしまうが、ざっくり言ってしまえば、変わるのは「どこから」という情報を1つ加えるだけだ。
何かを買ったときに「どこから(現金? クレジットカード? 銀行口座?)」そのお金を出したのか。何か仕事をしたときに「どこから」お金をもらったのか? そしていまどきのクラウド会計ソフトは、簿記や会計の知識がなくても取引を取引を入力していけば、複式簿記が自動的に作成されるようになっている。
弥生も青色申告向けに「やよいの青色申告オンライン」を提供しているが、そのベースになっているのはやよいの白色申告オンラインだ。2つのクラウド会計ソフトの見た目や使い勝手はほとんど変わらない。
これまで「白色申告より難しくなるが、青色申告をするとお得だ」という話を聞いたことがあると思う。複式帳簿を付けるだけで65万円の青色申告特別控除(単式簿記でも10万円の控除)がある。赤字を出しても3年間繰り越せる。そして30万円までの固定資産を1年で償却できる特例もある。
ようするに、クラウド会計ソフトを使えば、ほぼ同じような作業なのに青色申告に切り替えるだけで所得税をグッと安くできるわけだ。2014年分の確定申告には間に合わないので、まずはやよいの白色申告オンラインで操作に慣れておいて、2015年分から青色申告オンラインに乗り換えてみるというのはどうだろうか?
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