すべての機能が使えるベーシックプランで年額8000円、仕訳相談や経理業務相談が電話でできるサポート付きのベーシックプランで年額1万2000円。初年度キャンペーンとしてセルフプランを0円で提供する。
個人事業主や中小企業向けの会計ソフトとして国内で圧倒的なシェアを持つ弥生が16日、クラウドサービス「やよいの青色申告オンライン」をスタートした。
2015年3月16日までは、初年度無償キャンペーンとして記帳から確定申告書の作成まですべての機能が使えるセルフプランを0円、電話やメールで仕訳相談や経理業務相談が利用できるサポート付きのベーシックプランを6000円で提供する。
キーワードに“かんたん、やさしい”を掲げ、日々の記帳から確定申告まで、シンプルなデザインと機能で直感的に使えるサービスを目指した。岡本浩一郎社長が「簿記や会計の知識がなくても使える」というように、記帳は仕訳ではなく取引をベースに入力する(仕訳入力は12月に提供予定)。
入力方法は2種類ある。1つはパッケージソフト「やよいの青色申告」シリーズでも提供している「かんたん取引入力」をクラウド版に再設計したもの。これは、取引日や科目、取引手段、取引内容、取引先、金額といった情報を入力すると、自動的に仕訳と記帳が行われる。
もう1つは、あらかじめ設定しておいた銀行明細やクレジットカードなどの取引データを自動的に取り込んで、仕訳する「スマート取引取込」だ。取り込み元ごとに「事業用(全取引データを取り込む)」と「個人用(必要なデータを選んで取り込む)」の設定が可能だ。
スマート取引は2014年7月に発表した基盤技術「YAYOI SMART CONNECT」を利用している。すでに稼働中の「やよいの白色申告オンライン」だけでなく、10月31日に発売するパッケージソフト「弥生会計15」「やよいの青色申告15」でも対応。自分だけでなくほかのユーザーの自動仕訳履歴も学習することで、その精度を高めていく。
常々、会計ソフトのクラウド化は目的ではなく手段だと強調してきた岡本社長。その方針は、やよいの青色申告オンラインの発表でもブレていなかった。
「確定申告ソフトの目的は税金の申告をすること。画面の案内に沿って必要事項を入力していけば、専門知識が必要な一連の計算を青色オンラインがすべて自動で計算して確定申告書類を作成する。『そんなの当たり前では?』といわれるが、クラウド会計ソフトの世界ではまだまだ当たり前になっていない。弥生だけが実現した機能だ」
まだ国税庁から平成26年度用の確定申告書類が公開されていないため、「青色申告決算書(一般用)」と「確定申告書B(第一表・第二表)」の出力機能は12月のアップデートで対応する。また、すでに提供中の「やよいの白色申告オンライン」からの取引データの移行機能も提供する。
なお、通常価格はセルフプランが年額8000円、ベーシックプランが同1万2000円(いずれも税抜)。また、最大2カ月まで無料だが確定申告書の作成ができない無料体験プランも提供する。
対応OSは、Windows Vista/7/8/8.1、MacOS X 10.6以降。対応ブラウザは、Internet Explorer 10以降、Chrome最新版、Mozilla Firefox(最新版)、Safari 6.2以降。HTML5で作成されているためタブレット端末からも利用できるが、正式サポートについては今後検討するとのこと。
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