経理担当者から「経費の申請は早めに」と怒られることはないだろうか? 経費精算が面倒くさくなければ領収書の処理を月末に先伸ばしてしまうこともない。
日々の業務がクラウドサービスに置き換えられています。しかし、「なぜをそれを使うのか」「導入すると何が変わるのか」があやふやでは、導入しても「使うのは面倒」となりかねません。
コスト削減、業務効率化の文脈で語られることが多いクラウドサービスですが、本当のゴールは「雑務から解放されることで、本業に専念できること」なのです。
ビジネスパーソンにとって、「経費精算」ほど面倒くさい作業はない。客先を訪問するのにかかった交通費や資料購入費など毎日のように発生する経費処理を夏休みの宿題のように溜めこんでしまう。そして、そのうち、こう思ってしまうのだ。――「面倒だから自腹でいいか」。
この状況は、経営者や経理部門にとっても大問題だ。かかった経費の総額がどのくらいなのか月末にならないと把握できないし、経理部門の処理作業が集中するのもいいことではない。
このような状態を解決するには、経費が発生した時点で、社員がどれだけ簡単に精算処理を済ませられるのかが重要だ。例えば交通費なら、まさに移動中にスマホから処理ができればいい。物品購入なら領収書をスマホのカメラで撮影して申請できればいい。
そこで今回、クラウドキャストが展開するクラウド型経費精算サービス「bizNote」を試してみた。スタートアップや少人数企業、あるいは部門導入を想定したアプリを、従業員視点と経理視点で見ていこう。
まずは、経費を申請する従業員の立場からbizNoteを使ってみよう。経費精算用スマホアプリ「bizNote Expenses」(iOS版/Android版)を起動すると、表示されるのはシンプルな入力画面だ。直感的に分かるユーザーインタフェースで、マニュアルはいらないだろう。
経費を入力したら、あとは「申請」するだけだ。交通費など、毎日発生するような経費でも、電車に乗って何もすることがないときにサッと入力ができる。領収書もカメラで撮影して送信できる。
経費が発生したタイミングで入力すれば、月末に溜まった領収書の処理をしなくてもいいし、申請を忘れてしまうこともない。
従業員から経費の申請が上がってきたら、上司はWebブラウザで承認/却下を行う。この処理を行うと、すぐに従業員にメールで結果が通知される。却下理由を添えて差し戻すことも可能だ。
また、bizNoteには、売上と経費の推移をグラフでチェックできるダッシュボード機能もある。予算残高を設定し、その消化状況をグラフィカルに把握が可能だ。
もう1つ、上長や経理担当にとって大きなプラスなのは、これらの情報をスマホでもチェックできる点だ。スマホアプリ「bizNote for 弥生会計」(iOS版)を使えば、ダッシュボードの情報や経費の申請内容の確認、売上や経費の登録が行える。カテゴリー別、支出目的、支出方法など、今月の経費発生状況を手元で確認できるのは便利だ。
さらに、これらの経費情報を「弥生会計」や「やよいの青色申告」といった財務会計ソフトと連携できる(※Androidアプリ「bizNote」もあるが、弥生会計との連動部分は実装されていない)。やり方は簡単で、クラウドサービスやスマホアプリからCSVファイルを作成し、それを弥生会計の仕訳日記帳へとインポートするだけ。スマホアプリでは勘定科目のマッピングができるので、bizNoteの支払カテゴリーを弥生会計側のどの勘定科目に割り振るかを自由に設定できる。
CSVデータを「やよいの青色申告」仕訳日記帳にインポートしてみた。bizNote上で「書籍」とした項目が、やよいの青色申告では「新聞図書費」となるようにbizNote側で指定している。摘要にはbizNote上での入力情報が残るようになっている。経費精算という処理は、個人事業主のように従業員が自分だけならば単なるメモ書きでもいいし、いくら溜め込んだってかまわない(どうせ苦しむのは自分だけだからだ)。しかし、従業員が複数人いる企業ならば、ITを使った経費精算の仕組みを知っておいて損はない。
ここ最近、財務会計処理をクラウド上で実現するサービスが増えている。bizNoteは経費精算に特化したクラウドサービスで、弥生会計など既存の財務会計アプリとの連動が行えるという点が大きな特徴だ。筆者もこれまでPC上にインストールするタイプの財務会計アプリを利用しているが、bizNoteはそこに足りない部分を補う機能になっていると感じた。
bizNoteは、10人までのユーザーで共有できるスタンダード版が月額690円で利用できる。
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