「評価されたい」と考える背景には、「成功」に対する考え方のずれがあるかもしれません。
成功についてフランクルは、「内面的なもの」と「外面的なもの」に分けて考えました。外面的な成功とは、高い地位を得られるとか、周囲の人から評価されるとか、健康で長生きできるとか、そういうことです。
しかしながら、外面的な成功を人生のものさしにすると、必ずその人生は失敗せざるをえないとフランクルは言います。なぜならば、人生には必ず「死」が訪れるからです。
どんなに長生きしたとしても、「死」を避けることはできません。どんなに社会的な地位を得たとしても、「死」が訪れればすべてを手放さざるをえません。したがって外面的なものを基準にしたときには、どんな人生でも失敗に終わらざるをえないと言うのです。
では、どうしたらよいのでしょうか。
それは、人生のものさしを「内面的なもの」に置き換えることだ、とフランクルは考えます。人生のものさしを内面的なもの──自分の人生に与えられた意味や使命、自分を待っている「誰か」や「何か」、それに取り組んだことで得られる充足感など──に置き換えたときにはじめて、外的なことに振り回されない本当に確かなものが得られるのです。
内面に人生のものさしを置き換えない限り、人生は結局失敗に終わらざるをえません。物事を見る基準を内面に置かない限り、確実に満たされた人生を送ることはできないのです。
人生は、1つの「舞台」。生きている限り、あなたには絶えず「眼差し」が注がれています。
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