インドの将来は中国の発展と日本の停滞か――『インドの衝撃』:藤沢烈の3秒で読めるブックレビュー
世界経済危機下でも、インド経済は成長を続けている。日本は戦後、経済を自由化し、30年経過した70〜80年代に高度経済成長を果たした。中国は1978年に経済を開放し、やはり30年たった現在急速な発展をとげる。同様だと考えれば、インドでも今後10〜20年成長は続くのだろう。
世界経済危機下でも、インド経済は成長を続けている。しかし日本人は数千人しか滞在しておらず、実態を直接知る人は少ない。NHKスペシャル取材班が、インドの今をつぶさにまとめたリポートが『インドの衝撃』である。教育・経済・政治の面から整理している。
インドの変化
変化の開始は1991年。中国・ロシアとの紛争にともなう軍事費負担により、巨額の財政赤字を計上。IMFからの資金提供の代わりとして、経済自由化に踏み切った。外資出資比率制限が緩やかになり、関税は引き下げ。その結果、海外の消費財が大量にインドに流入した。
テレビ普及などで急速に欧米文化が入り、マンションやショッピングチェーンが普及。家庭でも手軽なレトルトカレーやワインも広まっている。女性はテレビタレントに憧れ、伝統的なサリーを捨ててTシャツやドレスを身に着けるようになった。経済発展にともない、中所得層が毎年2500万人増加。中国に次ぐ経済成長が続いている。
インドの将来としての中国・日本
日本は戦後、経済を自由化し、30年経過した70〜80年代に高度経済成長を果たした。中国は1978年に経済を開放し、やはり30年たった現在急速な発展をとげる。同様だと考えれば、インドでも今後10〜20年成長は続くのだろう。
また日本は経済成熟化・少子高齢化にともない低成長を余儀なくされている。中国もこれから10〜20年後には高齢化が予測されている。インドも30〜40年後には発展後の成熟に陥るかもしれない。そう考えれば、今の中国の発展と日本の停滞は、インドの将来を考える上で参考になるのだろう。
著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)
RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1200冊超。
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「これからの日本に必要なのは、革新的な経営感覚を持った若き経営者だ」――そう考え、有望な人材の発掘・育成のサポートに日々邁進する経営コンサルタントがいる。藤沢烈、33歳。マッキンゼー出身、現在は独立してベンチャー企業のコンサルティングを行う、彼の日常とは? - 1人シリコンバレー創業プロジェクト、そして――藤沢烈さん(後編)
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