ChatWorkでメールの7割を減らせた理由:あなたの不安、見積もります
ChatWorkが快適です。連絡を徹底的にChatWorkでやるようにしてから、メールのやり取りがこれまでの30%程度に激減。なぜ、メールではなくChatWorkなのでしょうか。
前々回に紹介した「ChatWork(チャットワーク)」が快適です。連絡を徹底的にこちらでやるようにしてからというもの、メールがこれまでの30%程度に激減しました。
いずれ揺り戻しが来ることは覚悟していますが、最終的にメールというものが「めったに来ないもの」になるとうれしいです。私にとってのファクスかハガキのようにたまに来るものになることを期待しています。
「ChatWorkを使い込む」→「メールが減る」ということは、両者でやることがほとんど同じだからです。私の場合、複数のメンバーで進めるプロジェクトについての連絡や決定事項などがほとんど。そうした、これまでメールで処理していたことをChatWorkに移行しました。
「メールでも問題ないのでは?」というご意見もありそうですが、メールですと細かすぎるやり取り(例えば原稿であれば、「てにをは」などの1つずつの修正など)が煩雑(はんざつ)になります。むしろ「これはいいか」と思ったり思われたりすることが多いのですが、これが後日ちょっとしたトラブルを生みますので、細かい詰めの作業をする時はChatWorkが機能するわけです。
なぜメールじゃだめなの?
どうやら削除もできそう。それからチャットをグループごとにまとめることもできるようですね。
先日仕事のパートナーである大橋悦夫さんに向かって、私は上のようなメッセージを返しました。これは大橋さんからの軽い質問への答えになっています。つまり「ChatWorkを今後も使っていくか?」というテーマに関わるやりとりなのです。これをメールでやるとこっけいなことになりかねません。例えばこんなふうになってしまいます。
大橋→佐々木
佐々木さん、お世話になっています。
ChatWorkのグループチャット名は管理者であれば変更できますね。管理者の特権は他に何かあるでしょうか?
よろしくお願いいたします。
佐々木→大橋
大橋さん、お世話になっております。
ChatWorkはグループの管理者権限でどうやら削除もできそうですね。それからチャットをグループごとにまとめることもできるようです。
今後ともよろしくお願いします。
メールであっても実際には大橋さんとこのようなわずらわしいやりとりはしませんが、それはこれまでの付き合いが長かったから。初対面の人やまだそれほどお仕事を一緒にしていない人であればほぼ確実にこのようなコミュニケーションになってしまいます。
そしてこんなやりとりはやりたくないから、やらなくなるわけです。しかしそうすると、お互いがChatWorkについてどのように感じているかが見えなくなるので一方的な見切り発車になってしまいます。これをプロジェクトで多くやればやるほど、トラブル発生確率が高まるのでした。
Skypeじゃだめなの?
では「Skypeのようなチャットでやればいい」と思う人もいるかもしれません。実際、今まで私はSkypeを活用していました。しかしSkypeに比べてChatWorkを使う利点はグループチャットの設定が容易に、しかもきめ細かく設定できるため、テーマをトップダウンでしっかり決められるところにあります。
例えば、私のChatWorkは右図のようになっています。「110528」などとなっている暗号のようなのが「プロジェクト名」。
特定のプロジェクト名でグループチャットを作り、関係するメンバーをそのグループに追加していくと、そのプロジェクトに関するやりとりがすべて集中します。タスクの割り当てもできますし、必要なファイルの共有もできます。従って単にチャットで連絡事項をやりとりするのではなく、あるテーマについての話題を最初から整理して進めることができるわけです。
やってみると分かりますが、このシステムはとても仕事をはかどらせます。関係者全員に「プロジェクトが見えている環境」を提供でき、そのプロジェクトに関するすべてのログを即座に読み返すこともできるからです。
関係者がプロジェクトの存在を忘れていたり、それほどひどくなくても、忘れようとしていていたりすると、プロジェクトが進まなくなります。あるいは、過去にみんなで決めたことを比較的権限の強い人が忘れてしまって、しかも決定内容を探し出せなかったりすると、似たような話を二度やることになることになります。もちろん時間の無駄な上に、モチベーションを著しく損ないます。
ChatWorkはこういう問題を発生させにくくするので、プロジェクトの進行を促してくれるのです。
筆者:佐々木正悟
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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