KDDIの起業支援サービス「SmaBI」はどこまで使える?:個人事業主が挑戦(4/4 ページ)
書類作成を中心に起業に関するさまざまな課題解決をサポートするサービス「SmaBI」。実際に個人事業主として独立している筆者がその使い勝手を試してみた。
データ管理について実際に質問してみた
通常、専門家への相談は時間単位の報酬がかかり、またその料金も1時間数千〜数万円にも及ぶだろう。時間を掛ければ掛けるほどに費用は膨らんでしまう。SmaBIは同時に最大3人に対して相談を投げかけられるので、適切な回答を得られる可能性は個別相談と比較しても高い。5250円で必ず課題解決が行えるのであれば、決して大きなコストにはならないハズだ。
ちなみに1つ、私もSmaBI上で専門家へ質問を投げかけてみた。内容は、社内でのクラウドサービスを活用したデータ管理体制の構築についてである。
質問項目を選んで相談者を決定。今回はIT・事業戦略アドバイザーに聞いてみることにした。すると驚いたことに、返答が届いたのは質問からわずか20分後! たまたま手が空いていたのかもしれないが、このレスポンスの早さにはビックリした。しかし基本的に質問への回答は24時間以内に受けられるようになっているとのことで、いつまでも疑問を解消できぬままモヤモヤした感じを引きずることはない。
回答についても非常に丁寧。いくつかのケースに分けてメリット/デメリットを提示し、疑問を解決してくれた。追加質問も可能ではあるが、今回はその必要もなかった。
KDDIの提供する「起業家応援パック」でスムーズな事業スタート
SmaBIは、「起業家応援パック」を契約することで1年間無料での利用が可能となっている。このサービスはKDDIから提供されているようだが、そのパック内容は起業家にとって充実したものといえるだろう。
まずメールアドレスを持ちたいのなら、KDDIホスティングサービス。電話ならauオフィスナンバーで03番号を取得でき、ペーパーレスFAXも利用できる。メール、電話、FAXは名刺にも必ずと言って良いほど記載される必須項目なので、これらを一括して取得できるのはスタートアップ時に有り難い。
しかも個別に各サービス会社と契約する場合と比較すると、年間コストが約80%も削減できるというから驚きだ。先に挙げた3つのサービスを合わせて、月3307円から。これでSmaBIの利用料も1年間無料になるのだから、試してみる価値はありそうである。
中でも個人的にお勧めなのが「auオフィスナンバー」。03発着信の番号を、アプリをインストールしたスマートフォンで利用できるというものだ。IP電話サービスは昨今増えているが、やはり法人であれば03などの市外局番で利用したいところ。特に私のように少人数で企業を運営している場合には、むしろ社内に固定電話を持たず、常に出先でも携帯から社用番号を利用できるのは大きなメリットといえるだろう。
いかがだろうか。
「起業」は単純に初期コストの面で誰にでもハードルが下がっただけでなく、今ではSmaBIのように起業をよりスムーズに行うための支援サービスが充実している。コスト、そして余計な時間の削減。安心して経営を継続させていくためにも、SmaBIは心強い味方になってくれそうだ。
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