お金持ちは、自分のお金を使わない:一生お金に困らない「華僑」の思考法則
お金、仕事、時間、すべての成功法則に欠かせないのが「コミュニケーション術」なのです。一度でもいいので、物々交換でお金を使わずに欲しいものを手に入れる面白さを経験してみてください。
集中連載『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』について
本連載は、2013年10月31日に発売した大城太著『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。
日本人だからこそ分かる華僑の行動法則。大物華僑の元で超実戦的な修行を積み、独立した初年度から年商1億円を稼ぎ出した著者が、自らが実践し、成果を出した「華僑の思考法則」を紹介します。
破天荒な行動には理由がある。「スケジュールは常に空けておく」「とにかく“借り”をたくさん作る」「人を見るときは目ではなく、口を見る」「嫌いな人にこそ接近する」「ペットは好きでなくても飼う」──など、日本人にとっては「?」な華僑の常識。しかし、この思考法則や行動の由来をひも解くと、もうけにつながる驚くべき「人間の本質」が見えてきます。
書籍では、門外不出といわれる華僑流の考え方をお金、仕事術、時間の使い方、コミュニケーション法、人脈術に分けて紹介している。華僑の元で修行をした著者だからこそ書ける、日本人には思いもよらない成功法則が満載。
華僑グループのボスやそのネットワークに属する資産家たちは、お金を持っている人ほどお金を寝かさず、投資に回してお金を育てています。つまり華僑社会の一員となれば、自分がたとえ一文無しでも彼らに投資をしてもらってビジネスを始めることも可能なのです。
ですから、ボスのもとには裸一貫で祖国を後にした新たなチャレンジャーや、時には私のような無謀な日本人も飛び込んできます。とはいえ、来るもの拒まずの甘い世界ではありませんし、ビジネスアイデアさえあれば楽々スタートなどという夢物語もありません。能力気合いもろもろボスに認められることが絶対条件です。
新たな仲間を増やすことは、ボスの重要ミッションでもあります。仲間を増やし仲間に投資して育て上げることは、親分としての面子を保つ上で、また勢力を拡大する上でも欠かすことができません。すなわち師弟は需要と供給の関係にあるわけです。
ボスにお金を出してもらってビジネスを始めた弟子は「ボスのおかげでいまの自分がある」と周囲に言いはやしてボスを立て続けますし、儲かれば当然その利益を還元します。さらに中元・歳暮はもとより、毎月のように贈り物を携えてボスのもとを訪れます。ボスは弟子たちを育てることによって、自分のお金を使わずによい暮らしを楽しむことができるのです。
このような華僑社会のやりとりは、需要と供給の合致、そしてコミュニケーションの継続を前提とした等価交換と表現してもよいかもしれません。
誰でもお金を使わずに物を得ることは可能
私たち日本人は、欲しいものを得るための手段はお金以外にあり得ないという先入観にとらわれています。お金が足りなければ時間をかけて貯めるか、あきらめるか……。
しかしお金=貨幣はもともと物々交換を便利にするために発生したものです。現代日本においても、商品やサービスの対価をお金で払うルールは実は絶対ではありません。貨幣経済が基本ではありますが、企業にしても商店にしても、必ずしも顧客全員からお金を取らなくても運営していけます。そこを分かっていれば、お金がなくても欲しいものを得ることが可能なのです。
現に私は、物々交換で欲しいものを手に入れてきました。ある時、デニムショップですごく好みのヴィンテージ・ジーンズを見つけたのですが、8万円とかなり高価で手が出ません。そこで私は店主にお願いしてみました。
「僕、このジーンズがすごく気に入って本気で欲しいんですけど、いま小遣いに余裕がないんです。僕が持っているブランドもののジーンズ3本と交換してもらえませんか?」
簡単に交渉成立とはいきませんでしたが、納得してもらえるまで徹底的に交渉した結果、交換してもらうことができました。めでたしめでたしです。
また、次のような交渉もアリでしょう(私の経験ではありません。悪しからず)。ヴィンテージ・ジーンズを手に入れる目的が、気合いの入った初デートのためだとします。取りあえずはその日だけカッコよく決められたらOKなわけですね。
「1日だけこの8万円のジーンズを4000円で貸してもらえませんか? 貸してもらえたら僕がネットオークションに出品して、売れたら8万円で買い取ります。売れなかったら必ずお返ししますし、もしキズをつけたりしたらきちんと弁償します」
ショップ側に損をさせることなく、自分の目的を4000円で達成でき、さらにオークションで8万4000円以上の値が付けば買い取っても得します。
コミュニケーションなしに成功はあり得ない
そんなことをするくらいならコツコツお金を貯めて買うよ、という人が多いことは想像に難くありません。コミュニケーションとは本来面倒くさいものなのですから。それをきっちりとやるのが華僑であり、コミュニケーション力が高いからこそお金持ちに認めてもらうことができ、自分のお金を使わずにビジネスを始めることができ、成功して自分もお金持ちになることができるのです。
本連載では「お金」について述べていますが、お金、仕事、時間、すべての成功法則に欠かせないのが「コミュニケーション術」なのです。まずは一度でもいいので、物々交換でお金を使わずに欲しいものを手に入れる面白さを経験してみてください。あなたの世界観がガラッと変わるくらいインパクトの強い実学となること、請け合いです。
今回の教え
「交渉で欲しい物を得てみる」
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