学生時代にサボった授業のツケを、今払っている話:人材育成の今とこれから(2/2 ページ)
勉強すること=いい点を取ること=「暗記」だと思っていた学生時代。当時、この「暗記」という呪縛を解くことができたら、勉強への関心はもっと違ったものになっていたかもしれません。
苦手なことも乗り越えたいと思った2つの理由
開米講師の研修を受けてからというもの、苦手なこと(論理思考)から逃げてはダメだ……と考えることができました。その理由の1つは、企業経営には戦略や論理などが不可欠であると認識していたからです。一時的な業績であれば経営者やその事業のトップの感性で上げることが出来ますが、継続的に業績を上げるには、戦略や論理といった「筋道」が不可欠。それは、企業の規模が大きくなればなるほど必要です。
「筋道」を描くためには、考え抜くことや1つ1つ組み立て検証する思考力が必要です。それが出来なければ、お客様の方向性を一緒に考えるパートナーになれない。それでは私が目指す仕事が出来ない。そう考え、この時から本来ならば小中高で鍛えることができたであろう思考の訓練に、積極的に取り組むようになったのでした。
まさか一生やらなくても済むと思った理系的思考力を、ビジネスの世界で求められることになるとは思ってもいませんでしたが……。学生時代に「答えを出すプロセスを楽しむ」考え方や、「時間をかけてもいい」ということを知っていれば、もっと理系分野の勉強も好きになることができたかもしれません。
開米講師がトレーニングの最初に言っていた「『脳の筋トレ』をしておけば、最初は時間がかかっても、どんどん筋力がついてきて、後は楽にできるようになるから。やればやるだけ力が付く」という言葉のおかげで、「時間がかかる」ことを肯定的に受け止めるきっかけを得ることができ、そのことを乗り越えたいと強く思いました。
実は私は、勉強ができる人を見ると、サッと見て答えを出しているように見えていました。しかしその裏に「思考筋」があったのです。「思考筋を鍛える」ことであれば、コツコツ取り組めばよく、凡人にも出来そうでした。そう考えるようになってから、気持ちが楽になり取り組む気力が沸いたのです。これは私にとって、とても大きなことでした。
学生時代を振り返りながら、見えたこと
長々と私の経験を述べてきましたが、お伝えしたかったことは私のように間違った考え方を持ったままの学生さんも、多いのかもしれないということです。
- 受験で点数を取るためには、大量の問題を説いて「暗記」をすることが大事だと思い込んできた
- 自分より頭のいい人を見ると自分とは違うと感じてしまい、努力をしようと思わない。「思考筋」という考え方はない
- 興味のない科目も、いずれ自分の人生で必要になるタイミングがくる(かもしれない)という考え方を知らない
今回の記事をまとめながら、勉強すること=いい点を取る事=「暗記」だと思っていたことに、私の失敗の全てが凝縮されているようにも思えてきました。「暗記」という呪縛を解くことができたら、もしかしたら、勉強への関心はもっと違ったものになるかもしれないですね。
以上、「とある地方の大学教員」様、コメントをいただき、ありがとうございます。書くとお伝えしていた記事が半年もかかり申し訳ありませんでした。「こんな学生もいる(かもしれない)」と思っていただけるとうれしいです。
また違う着眼点をお持ちの方や、「学生時代は勉強しなかったけど、社会人になってから勉強しておけばよかったと思うようになった」というご経験をお持ちの方、よろしかったらコメントをお寄せください。
それでは、2014年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
※この記事は、誠ブログのひといくNow! -人材育成の今とこれから-:学生時代、サボった授業のツケを、今払っている話より転載、編集しています。
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