端末を入手しやすいのも便利な点だ。ラスベガスで電話を購入する場合、従来は大型ショッピングモールの「FASHION SHOW MALL」の中にいくつかある電話屋で購入するのが一般的だった。同じくらい手軽に買える場所でないと面倒だが、大型ホテルの集まるストリップ大通りにも7-Elevenができて(もちろん24時間営業)行きやすくなった。ラスベガス以外でも7-Elevenなら街中にあり、旅行客でも入手しやすい。
買ってすぐ使えるのもいい。電話番号は説明書の上のシールに印字され、電池もそれなりに充電されている。製品には10ドル分の利用権が含まれている。初期設定に必要な“Activation”の電話をかける必要もない。通話追加のカードもその場で印字する方式のため品切れはなさそうだ。
さっそくSony Ericssonの「T237」と25ドルの追加カードを購入した。
通話料金の追加は番号「611」をダイヤルしてガイダンスに従う方法と、「*888*(PIN)#」にダイヤルしてPINを一気に入力するの2つがマニュアルに書かれていた。残り金額は通話終了後にテキスト表示され、任意で確認することも可能。「611」で音声確認、「*777#」でテキスト表示される。
Speak Outの通話料は、全米全時間帯全曜日20セント/分で、課金は1分単位。着信時の料金も同様だ。ローミング対応で国際電話もかけられる。
WAP/SMS/MMSにも対応しており、T237ではWAPを使った画面のカスタマイズ(テーマ)、着メロや画像のダウンロードサービス、各種情報サービスが利用できた。
39セント/分からの低額国際電話料金をアピールしているが、39セントなのはカナダとメキシコ向け。日本向けは1.29ドル/分(Asia/Pacific)と少々高い。これならKDDIのスーパージャパンダイレクト(3.5円/6秒)を使ったほうが安い。
7-Elevenが携帯電話サービスを行えるのはMVNOの仕組みを使っているためだ(用語参照)。Speak Outのサービスを提供しているのはテキサスのダラスにあるZtar mobileで、回線網はCingularのものを利用している。
T237本体のマニュアルには、対応する周波数帯がGSMトライバンドと書かれていた。しかしこれは誤植のようで、Webで確認したところでは、850M/1900MHzと表示されていた。つまり北米中心のデュアルバンド機ということだ。
もしSpeak OutのSIMをうっかり期限切れにしても、SIMがロックされていないなら使いようもある。ドコモユーザーの場合、日本と同じ電話番号を使うためにWORLD WALKER G-CARD(カード発行が2100円、ローミング使用料が1日105円)を作ればよさそうだ。
利用頻度はそれほど高くないが、毎回日本で海外用電話をレンタルするのは高い。電話番号は日本で使っているのと同じでなくてもいい──そんなユーザーなら、Speak Outが海外用携帯電話の1つの選択肢になるだろう。
SIMアンロックでオトクな端末? |
今回少々驚いたのは、購入したT237はSIMロックされていない端末だったことだ。通常インセンティブ(コミッション、リベート)付きで販売されている携帯電話は、他キャリアのSIMを挿しても使えないよう、SIMロックがかかっている。日本のドコモやボーダフォンの端末もそうだ。 Virsin Mobile UKのプリペイド携帯向けSIMを挿してみたところ、そのまま認識した。さらにEricsson系端末の隠しコマンドでチェックしてみても、SIMはロックされていないようだった。SIMロックがかかっていなくて100ドルなら安い買い物だ。 海外製端末にはそれほど詳しくないが、鍵が外れたアイコンでSIMがロックされていることはなさそうだ
SIM UNLOCKでも北米専用端末の可能性もある。SIMがアンロックと分かっていたら、トライバンドやクワッドバンド機を買えばよかった……
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