米Motorolaは2月14日、仏カンヌで開催中の「3GSM World Congress 2005」で新端末6機種を発表した(2005年2月の記事参照)。2.5G端末は昨年話題となった超薄型携帯電話「RAZR V3」の後継モデル3機種(2月15日の記事参照)。いずれも4文字のアルファベットを使った端末名を冠し、デザインの革新性をアピールする。
Motorolaは2004年のカンヌで、“We are back!”をテーマに携帯電話に本腰を入れるとアピール。この1年で同社は着実に業績を伸ばしている。韓Samsungとの激しい2位争いが続いているが、2004年第4四半期にMotorolaは20機種を投入、シェアは回復しているという(1月28日の記事参照)。この日、同社パーソナルデバイス事業部担当取締役副社長のロン・ガリクィス氏は「2005年もこの戦略を踏襲し、多数の端末を投入する」と話した。3G端末は今年、16モデルを投入する計画だ。
同社が推進しているのが“シームレスモビリティ”。この日もOakley製のBluetoothサングラスやスノーボードウェアBurtonとのコラボレーションによるBluetoothジャケット、Bluetoothヘルメット(momo特別仕様)などのウェアラブルアイテム披露した。スタンド型スクリーンと携帯電話が分離するビデオフォン「Ojo Personal Videophone」も実演。またSkypeとの提携も発表し、今後は3G端末などいくつかの端末で、P2PでVoIPを使えるSkypeクライアントをサポートするという。
デモでは、“リキッドメディア”を実演した。壇上には家庭を想定したPC、オフィスを想定したPC、車内利用を想定したPDA、携帯電話の4つのデバイスがセット。RFIDをかざすことで、音楽ファイルをそれぞれのデバイス間でシームレスに移動させるデモを披露した。技術的にはIMS用語参照技術を利用することで、セッションを中断することなく異なる通信技術間でデータを移している。
この日の発表会で同社が発表したのは、“BLZR”と呼ばれる「RAZR」(2004年7月の記事参照)の特別仕様「Motorola V3 RAZR black」、同じく超薄型の「Motorola SLVR V8」、小石の“Pebble”を表わす「Motorola PEBL V6」のGSM端末3機種、それに3G端末として「E1120」「A1010」「E1060」の3機種、およびデータ通信カード「D1100」。
折りたたみ型GSM端末の「Motorola V3 RAZR black」は、今年のアカデミー賞候補者に提供する特別仕様で「RAZR」を黒でコーティングした。薄さは13.9ミリ、55×98ミリのクレジットカードサイズで重さは95グラム。VGAカメラを内蔵し、3Dグラフィックをサポート。MPEG-4形式の動画再生も行える。3月末にも出荷を開始するという。
「Motorola SLVR V8」も薄さを追求したGSM/EDGE端末。薄さ49ミリ、重さ85グラムで、同社では「世界最薄」としている。VGAカメラやMP3プレイヤーを内蔵、メモリは最大256Mバイトまで拡張できる。プッシュ・ツー・トークや電子メールなどビジネス機能も充実させた。第3四半期に発売予定で、今後同端末をベースとした後継機種も投入する予定だ。
「Motorola PEBL V6」はRAZRシリーズとは対照的に、丸みを帯びたデザインが特徴の折りたたみ型GSM/EDGE端末。VGAカメラを内蔵し、Bluetoothをサポート。MPEG-4方式の動画撮影や再生に対応する。発売は2004年後半の予定。
3G端末「E1120」は300万画素カメラを搭載、ビデオ機能を強化したイメージング端末で、「E1000」(2004年9月の記事参照)の上位機種に位置づけられる。「A1010」はPDAライクなスマートフォン。OSにはSymbian OS 7.0/UIQを採用している。「A1000」の上位機種となり、200万画素カメラ、IM、VPN、プッシュEメールなどの機能を装備。Word/Excel/PowerPoint、PDFの閲覧に対応するなど、ビジネスユースに答える端末だ。「E1060」は音楽機能を強化したローエンド向けの3G端末。Apple Computerの「iTunes Music Player」をデフォルトでサポート、1メガピクセルカメラを内蔵する。
発表会では紹介されなかったが同社はこの日、Motorola製としては初となるiモード端末「E378i」も発表している。VGAカメラを搭載、欧州市場向け端末として売り出す。
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