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» 2005年06月01日 09時42分 公開

成長著しい「モバイルコマース市場」神尾寿の時事日想

携帯電話を利用して、リアルな物を売買する“モバイルコマース市場”が伸びている。携帯電話ならではの特性を利用することで、その市場はさらに広がりそうだ。

[神尾寿,ITmedia]

 5月31日、モバイル・コンテンツ・フォーラムは、モバイルコンテンツ関連市場についての調査結果を発表した(5月31日の記事参照)。それによると、2004年のモバイルコンテンツ関連市場は前年比31%増と順調に成長している。

 中でも注目なのが、モバイルコマース市場の成長だろう。前年比の伸びしろのうち約57%がモバイルコマース市場であり、物販系が特に成長している。一方、コンテンツ分野では着うたなどのリッチコンテンツ関連が急成長しているという。

 物販系は、Amazonインタビュー(関連記事12)でも語られたとおり、3Gによるパケット料金割引/定額制の影響が大きい。これはADSLの普及がeコマース市場、特に物販を後押しした、固定網ブロードバンドの状況と同じである。

 携帯電話はPC向けインターネットと異なり、キャリアによる認証・課金サービスが充実している。日本のユーザーはクレジットカードの利用意欲が欧米より低く、この点はPCのeコマースより有利だ。今後はモバイルFeliCa上の電子マネーがネットワーク決済でも用いられるようになる。決済手段の充実が、モバイルコマース市場がさらに成長する牽引役になるだろう。

 中長期的には、モバイルコンテンツとモバイルコマースの融合も無視できない要素だ。これはKDDIの「EZ MUSIC!」で始まっているが(2004年10月13日の記事参照)、着うたフルなど消費型のモバイルコンテンツと、音楽CDなど所有型パッケージの販売をシームレスに繋げて、販売におけるシナジー効果を狙うものだ。

 モバイルコマース市場が携帯電話の中だけで完結する必要はない。携帯電話の特性を生かして様々な分野と連携することで、市場が大きく広がる潜在力を持っている。

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