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2005/07/06 12:55 更新

キーマンが語るワイヤレス業界のこれから:
チップビジネスから3Gの進化と普及を後押し。3Gビジネスの裾野を広げる──クアルコム (1/5)

KDDI端末へのコアチップ供給をはじめ、W-CDMAを採用するドコモ、ボーダフォンへもアプローチを進めるクアルコム。同社の戦略を、山田純社長に聞いていく。

 CDMA技術に多くのライセンスを持ち、多くの3G端末にコアチップを提供するクアルコム。主要サプライヤーである同社は、今後どのような技術・ビジネスを展開するのか。クアルコムジャパン社長の山田純氏に話を伺った。

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クアルコムジャパン社長の山田純氏

ITmedia 日本市場は3G普及が順調に進んでいます。KDDIは移行をほぼ終了しましたし、ドコモも山場を迎えている。ボーダフォンはじゃっかん出遅れましたが、それでも3G移行のシナリオは着実に進んでいます。クアルコムでは、3Gの普及・移行フェイズの現状について、どのような認識をお持ちでしょうか。

山田 3G移行の話でいえば、来年(2006年)の末にはドコモ、ボーダフォンの移行も進み、(市場の)大半のモデルが3G化するであろうと予測しています。3Gの大きな競争分野はデータサービスであるわけですが、(3G普及が完了する)今後はその分野で料金がどれだけリーズナブルにできるか、多様で使いやすいサービスが提供されるかといったところに競争のポイントが移っていくと考えています。

ITmedia 現在の携帯電話累計契約数は約8600万(6月7日の記事参照)。総人口あたりで考えると、契約数はそろそろ飽和かという声もありますが、3Gという技術ベースに乗ることで、高機能化や新サービスによる市場拡大はまだ続くということでしょうか。

山田 日本の市場においては極めて高機能な端末やサービスが出続けると考えています。今後もキャリアが中心にサービスを提供し、インセンティブを付けて端末を売り、高度化をスピーディに進めるという(日本の)ビジネスモデルは発展していくでしょう。

ITmedia しかし一方で、携帯電話キャリアはMNPに向けて激しい競争にさらされます。価格競争やデータ通信定額制の普及、広告宣伝費の増大による財務負担を鑑みると、端末コストの問題が浮上してくる。これまでのように高機能化によるコスト高をインセンティブで吸収するというモデルは取りづらくなるのではないでしょうか。

山田 端末コストの問題は重要です。そのため3Gによる高機能化と並行して起こることとして、プラットフォームの重要性があります。最近では汎用OSなどが話題になっていますが、これらプラットフォーム化を推進する技術は、端末メーカーやキャリアのコスト競争力を決める要因になっていくでしょう。

ITmedia プラットフォーム化が重要になる中で、主要サプライヤーとしてクアルコムはどのような戦略を採るのでしょうか。

山田 我々はハードウェアレベルでは、3G携帯電話に求められる主要機能を『1チップソリューション』としてプラットフォーム化してきました。さらに、その上のレイヤーとしては『BREW』を位置づけています。

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[神尾寿,ITmedia]

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