ITmedia クアルコムのビジネスを注目しますと、KDDI(au)向けの端末ではクアルコム製チップがほぼ100%採用されており、浸透しています。しかし、その一方でドコモやボーダフォン向けの端末では、CDMA技術のライセンスでの間接的な参入が中心で、チップサプライヤーとしては本格参入していません。今後、ドコモとボーダフォン市場への参入について、どのように考えていらっしゃいますか。
山田 我々は2年前からW-CDMAのチップセットをラインアップしており、ワールドワイドでの市場普及率という点で、日本のドコモやボーダフォンにも参入したいと考えています。そのために2つのアプローチを考えています。
第一は、ドコモやボーダフォン向けの端末を現時点で販売していない新規参入メーカーと連携する方法です。そういったメーカーはすでに我々の(CDMA2000シリーズ)チップセットをお使いのケースが多いですので、コアチップの部分だけ我々のW-CDMA対応のものに置き換えていただくだけで、比較的容易にドコモ対応・ボーダフォン対応の端末に作り替えていただくというソリューションを提示しています。
ITmedia つまり、これまでCDMA2000ベースの端末を作っていたメーカーならば、クアルコムのチップセットを交換するだけでW-CDMA市場にも参入できる。そういった道筋を用意することで、新規参入メーカーと一緒にドコモやボーダフォン市場に参入していくという方法ですね。では、もうひとつのアプローチはどういったものでしょうか。
山田 ドコモやボーダフォンに既に端末供給をしているメーカーに対しては、既存のハイエンドなモデルはそのままに、新しいラインナップでクアルコムをお使いいただく形を考えています。現行機よりもシンプルな構成のエントリー端末をお作りになる場合は、我々の持つ1チップソリューションを活用していただくことを考えています。
ITmedia 既存メーカーのエントリーモデルから参入していくというプランですね。しかし、コスト削減で考えると、プラットフォームの数は少ないほうがいい。それとは逆行しませんか。
山田 クアルコムチップによるエントリー端末では、スケールメリットの算出方法が違うと考えています。ご存じの通り、日本のローエンドは海外のハイエンドモデルですから、W-CDMA端末ならば海外市場も視野に入ってきます。日本市場の先進性は既存のハイエンドモデルに任せて、日本のエントリー層と海外市場展開をクアルコムのチップでやりませんか、というアプローチを端末メーカー各社にしています。
ITmedia 先ほどと逆の考え方ですが、クアルコム製W-CDMAチップを使ったエントリーモデルは、CDMA2000陣営向けにもチップセット交換で対応できそうですね。ちなみにクアルコム製チップを使うドコモ、ボーダフォン向け端末は、BREWプラットフォームの実装が前提なのでしょうか。
山田 クアルコム製チップセットとBREWはセット提供を考えています。
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