日本テキサス・インスツルメンツは2月15日、携帯電話向けアプリケーションプロセッサ「OMAP3」(オーマップスリー)を発表した。業界最先端となる65ナノメートルプロセス技術を使う。最初のチップとなる「OMAP3430」は、2006年中旬にサンプル出荷を開始し、2007年に量産に入る。
OMAP3は、CPUコアとして、OMAP2が採用していたARM11コアに代わり、ARM Cortex-A8コアを採用。ARM11コアと比べ処理速度が3倍に向上しているという。
大きな特徴はHDに対応し、DVD並の高画質をうたっていることだ。「ユーザーは映画をダウンロードし、HDモニターで視聴できる」としている。
ビデオ/オーディオ用アクセラレータ「IVA 2+」の搭載により、現行の「OMAP2430」の4倍の処理能力を備えている。MPEG-4やWMV9(VC-1)、H.264、RealVideo10などをDVD並の高画質で録画・再生できるという。また同社の携帯向けデジタルテレビチップ「Hollywood」と組み合わせて、携帯向けテレビ放送の表示や、外部のテレビやプロジェクタに表示させることもできる。
そのほか、携帯電話搭載カメラの制御能力も向上しており、1秒以下の間隔で12メガピクセル画像をキャプチャーできる。大容量記憶デバイスを利用したいというニーズに対応するため、HDD用のインタフェースも備えた。
携帯電話向けプロセッサとして低消費電力化にも力を入れている。SmartReflexテクノロジにより、デバイスの動作状況や動作モード、プロセス技術、温度変化に応じて動的に電圧や動作周波数、消費電力を制御し、消費電力を削減するという
主要な汎用OSもすべてサポートする。Linux、Symbian OS、Windows Mobileに対応する。
OMAPプロセッサは、3G向けのアプリケーションプロセッサとして主要な地位を築きつつある。国内でも、ほとんどのFOMA端末がOMAP、またはOMAP2を搭載している(2005年11月1日の記事参照)。
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