TI、OMAPプロセッサのロードマップ公開

» 2005年03月29日 23時35分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 Texas Instruments(TI)は3月29日、記者説明会を開き第3世代携帯電話(3G)に向けた取り組みを説明した。同社は、3G端末に向けたチップで50%以上のシェアを持つ。

 「3G端末メーカー大手7社中、6社がTIのDSPかモデム、あるいは両方を使っている。45種類以上の端末がTIのチップを使っている」とワールドワイド・ワイヤレス・ターミナルズ製品部門のジル・デルファシー上席副社長は話す。

 国内でもFOMA端末のすべてが、TIのOMAPをアプリケーションプロセッサとして採用しており、「901iシリーズ、700iシリーズの成長に寄与できた」(デルファシー氏)。

OMAP2ではコンパニオンチップは“レア”に

 FOMAではアプリケーションプロセッサとして独占的な地位を築いたOMAP。一方でそのパフォーマンス不足から「SH-Mobile」などを“3つ目の”コンパニオンチップとして追加する端末メーカーも多い(2004年12月8日の記事参照)。

 しかし2005年末頃の登場が目されるOMAP2搭載端末では状況が変わりそうだ(2004年2月25日の記事参照)。

 「OMAPの第1世代に比べて、OMAP2は専用アクセラレータを積むことでマルチメディア関連をカバーする。外付けのアクセラレーションプロセッサが必要なのは、レアになる」(日本テキサスイン・スツルメンツのワイヤレス・ターミナルズ製品事業部の水上修平事業部長)

今後は1チップ化も

 3Gでは、通信用のベースバンドチップと組み合わせて使うアプリケーションプロセッサの分野で確固たる地位を築きつつあるTIだが、今後は通信用チップも組み込んだシングルチップにも注力していく。

 「シングルチップによって、機能はあまり変えずにコストダウンを図れる。ミッドクラスの電話機をこのソリューションで支える」(日本テキサスイン・スツルメンツの水上氏)

 携帯電話には、電波をアナログ処理するRF回路と、デジタルベースバンド回路、そして携帯内のソフトを動作させるCPUが必要となる。TIはDRPという技術を使うことで、アナログ回路であるRFと、デジタル回路であるベースバンドやCPUを1チップ化していく。

 「通常、(アナログ回路である)RFチップはCMOSプロセスではなく、BiCMOSやガリウムヒ素(GaAs)を使う。DRPでは、RFの変調/復調やアナログ/デジタルコンバートをデジタル変換して、デジタル回路として扱い(半導体として一般的な)CMOSプロセスを利用できる」(水上氏)

DRP技術は既にGSM/GPRSチップで使われている。3Gでも技術的な課題はないというが、社内の戦略としてDRPを使った3Gの導入はまだ先だ。
国内ではNTTドコモと共同開発するUMTSのシングルチップもロードマップに。DRP技術の導入はさらに先になる予定

ソフトウェアの流用がメリット

 他社の1チップに比べてTIのチップが有利な点は、FOMAなどOMAPを使ったハイエンド端末で開発したソフトウェアを、将来、1チップソリューションでも流用できる点だ。

 「スタンドアローン(OMAP)で使ったソフトウェアを、そのまま1チップソリューションに流用できる。それがお客様にとっての最大のメリット」(水上氏)

 同社が「OMAP-Vox」と呼ぶプラットフォームは、ソフトウェアの再利用を容易にするものだ。OMAP向けにソフトウェアを開発しておけば、2.5G向けに開発したソフトを3G端末でも再利用できる。

 「ソフトウェアの開発は最もコストがかかり、大変なこと。ソフトウェアのリユースを進めることが大切だ。3Gを将来の念頭に置いて、乗り換えのしやすい筋道を用意したい」(デルファシー氏)

OMAP-Voxプラットフォームの概念図。2.5G向けに開発したソフトウェアは、3G向けのソフトウェアブロックを間に入れるだけで3G端末に流用できる

デジタルテレビ向けのシングルチップも計画中

 さらに、デジタルテレビ向けのシングルチップも計画中だ。「ハリウッド」と呼ばれ、DRP技術を使って従来の3チップを1チップに統合している。

 「ISDB-T(日本向け)とDVB-H(欧州・北米向け)の両方に対応する形で開発を進めている。2006年の前半にサンプルを出して、後半に製品出荷を考えている」(デルファシー氏)

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