ここ最近、NTTドコモやKDDIといった通信キャリアの、次世代通信方式への取り組みの成果が、目に見える形で現れ始めている。2月22日東京で、通信政策や標準化動向、通信技術、サービスモデルなどについて考える「FMCフォーラム」が開催され、各社のキーマンが登場した。
HSDPAに取り組むNTTドコモからは、研究開発本部長の歌野孝法氏が登場、技術解説を行った(2月22日の記事参照)。ドコモのHSDPAは、バルセロナで開催された「3GSM World Congress 2006」(特集参照)でもデモを披露するなど順調な仕上がりだという。また富士通、Motorola、NECと共同開発した試作機をプレス発表しているほか(2月1日の記事参照)、2007年第2四半期までには、デュアルモード端末向けLSIと、OSなどを一体化したプラットフォームを、ルネサス テクノロジ、富士通、三菱電機、シャープと共に共同開発することも明らかにしている(2月13日の記事参照)。
KDDIが目指しているのは、新旧の携帯電話網や各種無線規格、有線網を相互連携させ、1つの網の中で統合されたサービスを提供しようという「ウルトラ3G構想」だ(6月15日の記事参照)。技術統轄本部技術開発本部長の渡辺文夫氏は、「使う側にとって端末はあくまでも端末だ。それが有線接続か無線接続か、どんな無線方式を使っているのかといったインフラの部分は、インフラ提供者が考えればいいことであり、利用者が意識する必要はないこと」と話した(2月23日の記事参照)。
また、2月16日に大阪で行われた、モバイルWiMAXの実証実験(2月16日の記事参照)について、モバイルWiMAXと1X WINのシームレスなハンドオーバーなどに成功し、ユーザーが気づかないレベルで、ネットワークを切り替えて使えたと報告した。
一方、PHSキャリアであるウィルコムも、次世代通信への準備を着々と進めている。2月21日、1月に実験用の免許を取得した、2.3GHz帯の5MHz幅を用いた次世代PHSシステムについて、概要と実験の模様を公開した(2月21日の記事参照)。
次世代PHSは、2010年ごろの実用化を目指しており、現行のPHSの特徴や基地局装置を継承しつつ、上下方向共に20Mbps以上のスループットを実現するという。また、PHSの振興団体、PHS MoU(PHS Memorandum of Understanding)での標準化も進めており、今後は「日本だけでなく、中国などでも次世代システムとして利用できるよう規格化していきたい」としている。
今週はドコモの702iDシリーズ(特集)や、auの「neon」を含む1X/WIN春モデル各種(特集)が発売になった。
ボーダフォンの「V403SH」(1月18日の記事参照)は、関東・甲信、東海および関西地域では25日に、そのほかの地域では3月4日に発売される。また、ソニー・エリクソン初のFOMA端末ということで注目を集めている「SO902i」が、店頭に並ぶ日もそろそろ近そうだ(2月17日の記事参照)。
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