2005年10月19日に開発発表があったソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「SO902i」(2005年10月19日の記事参照)。他社の902iはすでに販売が始まっているが、本機だけはいまだに発売日がアナウンスされていない。
そんな中同社は、2月17日から19日まで、原宿のカフェ・ラウンジ「モントーク」においてSO902iのデザイン展を開催している。発売前の端末でメーカーがこのようなイベントを行うのは珍しい。
ここでは「ケータイというプロダクトのデザインは、そのままでは未完成であり、ユーザーが使って初めて完成する」(ソニー・エリクソン)という思想を本にしたコンセプトブック「MISSING PIECE」がテーブルに置いてあり、自由に閲覧できる。
コンセプトブックの中央には長方形の穴が空いている。この穴は、ちょうどSO902iと同じ46×109×20ミリで、SO902iが入るようになっている。ページをめくると、同社のコンセプトに共感した18組のアーティストによる、「SO902iをはめると完成する」携帯電話のある生活をモチーフにした作品が楽しめる。
このコンセプトブックは、TSUTAYA TOKYO ROPPONGI、青山ブックセンターを始めとする全国の書店で、3500円で販売予定だ。

ソニー・エリクソンが制作したコンセプトブック「MISSING PIECE」。穴にSO902iをはめると完成する18点の絵や写真を収録している。右の写真は実際にSO902iをはめた様子(ただし写真では左右が逆にはめられている)。表紙はエンライトメントのヒロ杉山氏によるもの。なお「モントーク」で見られるのは「MISSING PIECE」だけで、SO902iの実機が触れる訳ではない
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17日の夜には、プレス向けのパーティーを開催し、ソニー・エリクソンのクリエイティブプロデューサー、佐藤敏明氏がSO902iのデザインのポイントなどを話した。佐藤氏は、ユーザーに「まさに自分のために作られた物だ」と感じてもらえるような製品デザインを心がけており、SO902iについても同様だという。
FOMA初のスティック型端末となるSO902iは、コンパクトなボディにFeliCaを始めとする902iシリーズ共通の機能をすべて詰め込んでいるのが特徴。カメラがある背面とダイヤルキーがある前面、どちらも「表」である事を意識した「デュアルフロントデザイン」や、手になじみやすく、ボタンが押しやすいよう配慮した側面の「V字型の溝」、小型化と操作性の両立を目指し工夫した「ウェーブデザインキー」など、デザインに込めた思いを紹介した。


トークセッションでSO902iのデザインについて話すソニー・エリクソンのクリエイティブプロデューサー、佐藤敏明氏(左)。「MISSING PIECE」の表紙の絵を担当したアーティストグループ、エンライトメントのヒロ杉山氏もトークに参加。何も印刷されていない、中央に穴の空いた「つか見本」を渡され、作品を作ったエピソードなどを披露した(中)。会場になっている「モントーク」ではSO902iを用いたエンライトメントの立体映像作品「マインドプリーツ」も楽しめる(右)端末の発売日や価格はドコモが決めるため、今回のイベントでは発売スケジュールなどについての言及はなかった。連続待受時間や連続通話時間といったスペック情報のアップデートもない。
ただ、会場ではソニー・エリクソンの関係者と思われる人がみな首からストラップでSO902iを下げていた。端末としてはほぼ完成しており、あとはドコモが発売日を決定するのを待つばかり、といった印象だった。
ソニエリ初のFOMAは“ストレート型”──「SO902i」
写真で解説する「SO902i」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.