今、ビジネスシーンでモバイルの導入を勧める理由 Windows Mobileビジネス活用講座――序章: (2/3 ページ)

» 2006年05月15日 00時00分 公開
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・携帯電話(従来のもの)

 最近の携帯電話では、QVGA液晶や、PC向けサイトが閲覧できるフルブラウザを搭載した機種が増えてきており、フルブラウザを利用したWebベースのアプリケーションであれば、ある程度の利用が可能になりつつある。しかし細かい点では、ファイルのアップロード/ダウンロードの可否、FlashやJavaScript、Active Xの対応など、PC用のWebブラウザに比べるとまだまだ制限が多い。また基本的に、携帯でサーバにアクセスできるようにするには、携帯電話の画面サイズに合わせるなどの対応を、サーバ側に施す必要がある。

 携帯電話で広く使われているJavaやBREWでアプリケーションを作るにも、セキュリティ上の制限から、携帯電話側のシステムやデータをすべて利用できるわけではない。携帯電話の場合、アドレス帳やデータを保存するメモリ領域に、アプリ側からアクセスできないようになっているケースがほとんどだ。また、BREWアプリはKDDIの審査を受けなくてはならないなど、携帯向けシステム特有のノウハウやプロセスも多い。

 Symbian OSやLinuxを採用した携帯電話の中には、C言語などによるソフトウェア開発が可能なシステムも一部存在するが、PCとは異なる環境であるため、一般企業での開発は困難だろう。しかし社外に依頼するにも、業務用のシステム開発の経験があるデベロッパーはまだ少ない。

 また個人で所有している携帯電話を、業務で利用した分だけ企業が通信費を負担する形で利用するような場合もあるだろう。しかし携帯電話の機種は多種多様な上、モデルチェンジのサイクルも速い。時間が経過するとともに従来の機種は入手が難しくなる。毎年のように検証や対応などを行わねばならなくなり、結果企業の負担は大きくなる。

 確かに従来の携帯電話を利用したシステムの場合、操作性においてはユーザーへの教育コストを低く抑えることが可能となる。画面の大きさが年々大きくなっているものの、アプリケーションも操作性に制限が出る場合が多く、入力などにも時間がかかり、導入してもユーザーの活用が進まないケースが非常に多い。

 また、営業支援システムやフィールド支援システムとして携帯端末を利用する場合、お客様と対面しながら利用する場合が多くなるが、お客様に与える印象も考慮する必要がある。お客様の前で携帯電話を操作していると、個人メールなどをしていると勘違いされるケースも多く、利用する際に気を使わなければならないケースも多い。

・PDA型携帯端末

 PDAは、持ち運ぶことを前提としているため、携帯性に優れ、バッテリーー駆動時間がPCより比較的長く、待機状態からすぐに利用できるのがメリットと言える。

 現状、日本で入手可能なPDAは、マイクロソフトのWindows Mobile(Pocket PCの最新版)やLinuxを搭載したものになる。PC用のWindowsやLinuxとはCPUなどハードウェア的な違いはあるものの、操作感もPCに近い。OSも汎用性が高いものとなっているため、ソフトウェアベンダーから数多くのアプリケーションがすでに提供されており、各種業務にすぐ適用することが可能となっている。

 PDA型携帯端末としては従来ハンディターミナルと言われているカテゴリに属する端末も存在し、Windows CEなどをベースとしたものが各社から多数販売されており、すでに数多くの業務で活用されている。専用端末として、特殊な業務で活用される場合がほとんどだが、PDAに比べると端末の価格は高いケースが多く、アプリケーションも独自に開発する必要があるが、ハンディターミナルは高い拡張性や堅牢性を保持しているため、過酷な条件下で利用する場合には非常に大きな効果を発揮することができる。最近ではSymbol社などからWindows Mobileを搭載したハンディターミナルも発売されており、PDAとハンディターミナルの差はなくなりつつあるのが現状だ。

 下の表はカテゴリ別端末の特徴をまとめたものだが、PDAの機能はさまざまな面でPCと携帯電話の中間にありバランスの取れた端末ということから、すでに多くの企業が活用しており、営業支援またはフィールド支援型のシステムにおいては定番ともなっている。PDA型携帯端末はもともと通信機能を持たず、データ通信を行う場合には通信カードを利用する必要があったが、昨今、PDAをめぐる状況は大きく変わりつつある。

機能 ノートPC PDA 携帯電話 備考
処理性能
通信機能 外部 内蔵あり 内蔵 通信機能は、携帯電話やPHSなどの通信手段を指す(無線LANは含まない)
無線LAN対応 内蔵多数 内蔵多数 一部機種のみ
Webブラウザ フル機能 PCに近い 制限多い
バッテリーー駆動時間 短い 長い
機器コスト
ソフト開発 容易 容易 高度
システム側コスト 通常 通常 高い 携帯電話では専用接続やサーバが必要な場合がある
機器サイズ
液晶サイズ 800×600ピクセル以上 640×480ピクセル程度 240×320ピクセル程度
文字入力 フルキーボード タッチパネルやフルキーボードなど テンキー+十字キー
※機器のスペックについては、2006年5月時点で日本市場で販売されている機器のうち、平均的スペックを挙げている。VGA液晶やフルキーボードを搭載した携帯電話などもあるが、例外としてここでは割愛している。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日