ここ数年、米国など海外のビジネスシーンで広く利用されているのが携帯電話とPDAの機能を両方備えたデバイス(スマートフォンと呼ぶ場合もある)だ。Windows Mobile搭載の携帯電話や、“BlackBerry”といったQWERTYキーボードを搭載したデバイスで、企業メールをリアルタイムに送受信するコミュニケーションなどが一般的になっている(2005年11月15日の記事参照)。
米国と日本では携帯電話の通信方式が異なるため、これらのデバイスをそのまま日本に持ってきて利用することはできないが、日本でも近いことができる環境が整いつつある。
背景としてあるのは、PDAが携帯電話・PHS相当の通信機能を獲得し、携帯電話がPDA同等のOS・機能を搭載しつつあるという大きな流れだ。前ページではPC、PDA、携帯電話の違いを表にまとめたが、現実にはPDAと携帯電話の中間的な存在の製品が登場したことにより、両者の違いは急速に埋まりつつある。
たとえば最近のPDAの中には、通信機能を内蔵し、データ通信を定額制で行えるものがある。ユーザーが意識してメールチェックしなくても、携帯電話のプッシュ型メールのように、POP3/SMTPメールをPDAでリアルタイムに受信できるメリットは大きい。
通信機能だけでなく、PDA自身の処理性能向上も大きい。もともとPDAには、携帯電話が内蔵しているアプリケーションプロセッサよりも高速なCPUが使われている上、以前の機種に比べると高性能になっており、動画や音楽などを再生したり、PCで作ったオフィスソフトのファイルを閲覧したりといった、“PCのような使い勝手”が当たり前になりつつある。その半面、バッテリーー駆動時間も延びており、モバイルコンピューティングをサポートできるハードウェアになってきているのだ。
通信環境や機器の成熟により、日本でも「企業で行うモバイルコンピューティング」は俄然現実味を帯びてきている。本特集ではWindows Mobile搭載デバイスに着目し、実際に企業導入を検討するに際し、事前に知っておきたい知識や、各種セキュリティソリューションの選択肢などについて、全6回にわたる連載の中で解説・紹介していく。また、6月9日には本特集の内容と連動したセミナーも開催する予定なので、興味がある方は是非参加してほしい。
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※記載されている会社名および商品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。記載事項は2006年5月現在のものです。
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日
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