そのほかでは、アイピーモバイルが「TD-CDMA MBMS」を提案している。MBMSとは“マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス”の略のようだ。同社はTD-CDMAで市場に参入する予定だが、「TD-CDMAシステムにおいてはマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)がリリース6にて規格化されている」とコメントしている。この通信システムに、700MHz帯で30〜60MHz幅を利用したい考えだ。
WiMAXを推進するインテルは、当然「モバイルWiMAX」を提案することになる。700MHz帯で、60MHz幅をほしいという。
またイー・アクセスの移動体事業を担当するイー・モバイルは「Evolved UTRA/Evolution of HSPAs」を提案。これは「3GPPで規格作業の行われている、3GPP Release 6からの拡張システム」(提案書より抜粋)。「Evolved UTRA はW-CDMAのチャネル幅5MHzの組み合わせで下り最大100Mbps、上り50Mbpsの伝送速度を可能とする」ものであり、Evolution of HSPAsとは「HSPAs(HSDPA/HSUPA)からEvolved UTRAへのスムーズな移行を可能とする」もののようだ。
いずれもあまり通信業界で聞きなれない名前だが、「標準規格策定作業をEvolved UTRAについては2007年秋までに完了、Evolution of HSPAs については今年度中に完了する予定」とのこと。
デジタルテレビではなく、“デジタルラジオ”を推進する陣営も負けてはいない。社団法人のデジタルラジオ推進協会が「170-222MHz帯で52MHz幅」をほしいと声を上げている。FM802やJ-WAVEといった個別事業者も、同様の提案をしている。
紙幅の都合もありすべてを紹介することはできないが、社団法人日本アマチュア無線連盟が217〜222MHzをアマチュア無線に割り当ててはどうかと提案していたり、トヨタ自動車やデンソー、沖電気工業が車車間通信への割り当てを提案していたりと、多様なアイデアが寄せられている。
提出された意見は、情報通信審議会の審議で活用されることになる。6月7日には、電波有効利用方策委員会の第2回会合が開かれ、作業班が設置された。ここで提案を基に「提案システムの類型化」「適切な周波数配置」など5項目が調査事項として挙げられたという。
作業班のスケジュールとしては、こうした調査事項がまとめられるのが10月になるとのこと。この頃には、「テレビがどいた後」に繰り広げられる周波数争奪戦の行方が、見えてきそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング