Microsoftは2月12日、スペイン・バルセロナで開催中の「3GSM World Congress 2007」で最新のモバイル端末向けOS「Windows Mobile 6.0」を発表した。新たに東芝とLG電子が同OSをサポートした端末を提供し、日本のソフトバンクモバイルが採用することを発表した。
MicrosoftでMobile&Embedded Device Division担当上級副社長を務めるPieter Knook氏はまず、Windows Mobileのこの1年を振り返り、Windows Mobileはこの1年に90%増の成長を遂げ、2005年通年で300万ライセンスを販売したのに対し、2006年第4四半期はわずか3カ月で300万ライセンスを販売したと話す。この結果、昨年2月時点では米GartnerのMagic Quadrantで“Visionary”とランキングされていたものが、今年2月はResearch in Motionらと並ぶ“Leader”に位置づけられたとKnook氏は説明する。
Microsoftがこの日発表したWindows Mobile 6.0は、Microsoftの携帯端末向けOSの最新版。強化点はシンプルさや生産性、パーソナル機能の3点だ。キー入力の数を減らすなどユーザーインタフェースを改善し、電子メールを強化するとともにMicrosoft Officeを使いやすくした。中でも、電子メールでは初めてHTMLメールに対応し、Exchange Serverのほか、Windows Live HotmailなどWebメールもサポートする。Live Searchなどブラウザ機能も強化され、個人用メールボックスも管理できるよう、5つのメールボックスを備える。
同社のWindows Mobile担当者は、ステージ上でWindows Mobile 6.0のデモを披露。deではじまる友人の連絡先を探すデモでは、Live Searchを使って「de」を検索し、発着信履歴やWindows Live、SIMカードの両方の電話帳から「de」にマッチする文字列を探した。探している人物が見つかると写真付きのコンタクト情報が表示され、ワンクリックでIMや電子メール、SMSなどの操作を行える。
これまでMicrosoftの小型情報機器向けOSは「Windows Mobile for Pocket PC」と「Windows Mobile for Smartphone」の2つのエディションに分けていたが、バージョン6からこれを変更し、「Windows Mobile Standard」とStandardに機能を追加した「Windows Mobile Professional」の2つで展開する。アプリケーションの互換性もあり、Windows Mobile 5のアプリケーションはすべて動くとしている。
Microsoftはこの日、最新のWindows Mobile搭載端末を提供するメーカーとして、台湾のHTC、Hewlett-Packard、Samsung、i-mate、ASUS、Motorola、Palm、東芝、LG電子の9社を発表した。東芝とLG電子は初のWindows Mobile端末をリリースすることになる。
現在、世界の125の通信オペレーターがWindows Mobile端末を提供しているが、Knook氏によると今後数カ月以内に数社の通信オペレーターが最新のWindows Mobile 6.0ベースの端末を出荷するという。その中には、日本のソフトバンクモバイルも含まれている。通信オペレーター代表の1人として登壇した、ソフトバンクモバイルの執行役副社長 技術統轄兼最高戦略責任者(CSO)の松本徹三氏は、同社が英Vodafoneから日本法人を買収した背景として、PCとモバイルのコンバージェンスを大きなチャンスととらえていることなどについて語った。そして、ビジネスユーザーをターゲットにWindows Mobile 6.0を搭載した東芝製「G900」とHTCの2機種を6月にも発表することを発表した。
Microsoftは同日、モバイル向けマルチメディアコンテンツ保護技術「Microsoft PlayReady」も発表している。同技術は、ネットワーク上にある音楽や着メロ、画像、動画、ゲームとDRMよりも広範囲のコンテンツを保護するもので、Windows Media DRMとの互換性もある。Telefonica、AT&Tなどオペレータ数社が採用を決めているという。
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