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スタートから1年、iD&DCMXの今 (3/4)

2007年02月20日 03時50分 更新

 カード発行と並び、クレジットカード会社のもう1つの大きな業務が、アクワイヤリング(加盟店業務)だ。具体的には、店舗にリーダー/ライターを設置したり、店舗とお金のやりとりをしたりといった業務を担当することになる。iDに参画するクレジットカード会社のうち、三井住友カード、UCカード、イオンクレジットの3社がアクワイアリングも行っている。

 「(2006年)10月下旬にUCカードとの提携を発表しましたが、それまでの1年はすべて三井住友カードが1社でやってくれました。10月末時点で7万台のリーダー/ライターが設置されているのですが、これはすべて三井住友カードが手がけたものです。

 これからはUCカードも増えていきます。また、イオンクレジットは(ジャスコやカルフール、マックスバリュなど)イオングループという巨大チェーンを持っています。イオングループの店舗へのアクワイアリングは、イオンクレジットが行うことになります。イオンの店舗は今も、クレジットカードの利用率がとても高いこともあり、非常に期待しています。あとは(三井住友カードがアクワイアリングする際の獲得代理店である)VJAですね。VJAは地方銀行が多いので、地方の加盟店獲得をしてもらっています。例えば阿波銀行には非常に熱心に加盟店獲得をしていただきました。実際のアクワイアリング業務は三井住友カードなのですが、実地の営業活動は阿波銀行にやっていただいたんです」(守屋氏)

マルチリーダー/ライターに加えて、包括アクワイアリングが大切

 最近の非接触IC決済関連ニュースで話題の中心となっているのが、複数の決済方式に対応する、マルチリーダー/ライターだ。

 2005年から2006年にかけて、iDを含め、FeliCaを使ったさまざまな決済方式が登場した。先行していた電子マネーの「Edy」「Suica」に続き、クレジット決済のiD、「QUICPay」「スマートプラス/VISA TOUCH」などが競う形となり、エンドユーザーや小売店を中心に「分かりにくい」「店頭に複数の端末を置くのは無理だ」といった批判の声が上がった。

 このような状況下で、コンビニエンスストア各社は「全方式に対応する」という方針を打ち出し、POS連動型のマルチリーダー/ライターを導入予定であることを明らかにした。これを裏付けるように、2006年後半にはさまざまなメーカーから複数方式に対応したマルチリーダー/ライターが発表されている(参考記事1記事2)。POS連動のマルチリーダー/ライターとして初めて実際に稼働したのが、iDとSuicaの共用リーダー/ライターだ。2月1日からイオングループのショッピングセンターで使われている(2月2日の記事参照)

ay_aeon02.jpg 2月からイオン系ショッピングセンターで導入されているSuica/iD共用リーダー/ライター

 これらPOS連動のマルチリーダー/ライターとは別に、クレジットカードの信用照会に用いる端末(CAT、JETなど)につないで使うFeliCa用リーダー/ライターも、共用化が進められている。例えばドコモとジェーシービーはiDとQUICPayの共用端末を進めているし(2006年8月の記事参照)、MOPPA(モバイル決済推進協議会)は設立時から、端末の共有化を目的の1つとしていた(2005年10月の記事参照)

 “店舗レジの周りのスペースは限られているのに、複数端末を置くのはナンセンスだ”という批判には答えた形だが、そんなに簡単な問題ではない、と守屋氏は話す。「リーダー/ライターを共通化するだけでは、問題は解決しないのです。(携帯やカードを)かざすだけなのでお客様からは同じように見えますが、実際には全く違う。利用上限額、オフライン処理など、規格によってオペレーションはいちいち違います」

 店舗が複数の決済方式に対応するには、リーダー/ライターを共有化するだけでなく、運用面のサポートも大事になってくる。「例え共有端末であっても、アクワイアラとのやりとりは別々なんです。複数のアクワイアラとやりとりするのでは、お店側はたまらない。(1社のアクワイアラが複数決済方式をまとめて取り扱う)包括アクワイアリングが出てくると、お店も楽になりますね」(守屋氏)

 この点で最も熱心なのは、三井住友カードだ。三井住友カードはEdyの加盟店業務を行ったり(2006年11月の記事参照)、JR東日本と業務提携してSuica/iD共用端末の設置を請け負ったりしている(2006年7月の記事参照)

 お店の運用を考えれば、規格が1つになるのが本当は理想、と守屋氏は苦笑した。「『歩み寄りましょう』と呼びかけてはいるのですが。なかなか、ね……」

[吉岡綾乃,ITmedia]

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