リビング+:Weekly Top10 2003/11/25 20:41:00 更新

Living Plus Weekly Top10(11月16日〜11月22日)
「P2Pでコンテンツ配信」の可能性

先週目を引いたのは、P2Pネットワークを利用して動画を配信するサービス。どんな長さ、どんな質、どんな料金のコンテンツならうまくいくのだろうか?

Living Plus Weekly Top10 11月16日〜11月22日

1位 「PSX」の足りないトコロ、足せるトコロ
2位 「日本アニメは、このままでは韓国に負ける」の声
3位 「WinMXで自由に交換してください」 〜NTTコムのP2P動画サービスとは?
4位 PC直結、有機ELディスプレイも鮮やかなMP3プレイヤー「MUZIO」
5位 抵抗勢力を押し切った 〜携帯定額1x WINのいばらの道
6位 NTT東、フレッツ・ADSLを40Mbpsに高速化
7位 「00847」をつければ割安通話〜 平成電電、携帯で新サービス
8位 韓国でいま、流行のモバイルゲームを遊んでみた
9位 鈴虫の声も聞こえるIP電話、沖電気から
10位 「PSX」のカラーバリエーション、登場の可能性は?

 先週のアクセストップは、「PSX」関連記事。実は、先々週のアクセストップも同記事だった。PSXに対する、圧倒的な注目度を示す結果といえるだろう。

 個人的な注目は、3位に入ったP2P動画配信サービス「わざアリ」の記事。WinMX、Winnyなどの、世間を騒がせているP2Pクライアントを逆用して、コンテンツを流通させてしまおうと狙っている。11月21日には、同様の発想を持つサービス「ポイントムービー」も発表されており(記事参照)、興味深い。

 ところで、わざアリと、ポイントムービーを比べると、その違いが目に付く。実験的なサービスでもあり、一概には比較できないが、あえて両者の立場を明らかにしてみよう。

 一つは、配信するコンテンツの長さ。わざアリが意識して数分程度に抑えたのに対し、ポイントムービーは邦画作品など、比較的長時間のコンテンツも配信している。P2Pネットワークによっては“1日中PCを立ち上げっぱなし”というユーザーも散見されるため、多少重いファイルも許容されそうな気はするが、はたしてどの程度のファイルサイズが適正なのだろうか。

 次に、コンテンツの内容。わざアリでは、思わず他人に知らせたくなるような「コネタ」を用意したり、新人アイドルにコスプレをさせたりと、話題性を狙っている。一方、ポイントムービーは既に公開された作品を、そのまま配信する姿勢を貫く。どちらがニーズが高いのか、判断が難しい。

 最後に、課金モデル。わざアリでは、基本的に広告モデルを志向している。ひらたくいえば、交換して取得したコンテンツに、広告がくっついている――というかたちだ。一方のポイントムービーは、課金型ビジネスモデル。入手したコンテンツを視聴するには、別途有料のライセンスを発行してもらう必要がある。

 いずれのサービスとも、まだ始まったばかり。この場では、いずれの方式がよいかといった議論は控えたい。ただ、両者の取り組みは、いずれも挑戦的であることは確か。ぜひ成功につなげて、コンテンツ配信にはさまざまな選択肢があることを、ほかの事業者に示してほしいものだ。

[杉浦正武,ITmedia]



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