葬儀費用って、一体どのくらいかかるのだろうか。「お葬式代は20万円」などと打ち出している葬儀社がたくさんあるが、実際に見積もってもらうと「あれも」「これも」「それも」といった感じで加算され、合計100万円を超えることも珍しくない。
そんな不明瞭な会計を止めて、追加料金一切不要のプランを打ち出すことで、業績を伸ばしてきた会社がある。大阪府に本社を置く「ユニクエスト・オンライン」だ。
同社が扱うプランは4つだけ。最も安いのは、儀式をせず火葬のみを行う「小さな火葬式」で価格は18万8000円。最も高いのは、一般的な葬儀を行う「100名までのお葬式」で価格は63万8000円(いずれも税込、割引価格)。
ユニクエスト・オンラインが葬儀を手掛けたのは、2009年のこと。以降、年間の件数をみると、右肩上がりで伸びていて、2014年は1万5500件。なぜそれほど葬儀件数が増えたのか。同社で取締役をされている八田知巳(はった・ともみ)さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
→追加料金が発生しないようにして、大きくなった葬儀社の秘密(前編)
→本記事、後編
土肥: 御社は葬儀社なのに、従業員は基本的に現場に足を運ばない。前回、その理由について話をうかがいました。葬儀社を創業されて6年目ですが、会社を運営していく上で大変なことは何でしょうか?
八田: 葬儀とネット広告の親和性が高いので、数年前からどんどん広告費が上昇しているんですよ。なので、今後は体力のある会社による生き残りの勝負になるのではないでしょうか。
広告費が上がれば上がるほど、私たちの儲(もう)けは少なくなる。では、どうしたらいいのか。そこで「早割」というサービスを導入しました。
土肥: なんだか葬儀社が「早割」という言葉を使うだけで、ニヤニヤしちゃいますね(失礼)。その早割ってどのようなサービスなのでしょうか?
八田: 数年前から「終活(しゅうかつ)ブーム」「子どもには迷惑をかけたくない」「身近に心配な人がいる」といった理由から、事前に葬式の準備をされる人が増えているんですよね。そこで、事前に予約をしていただくと葬儀の費用が安くなる「早割」というチケットを発売しました。事前に500円支払っていただけると、お葬式と寺院手配費用が最大6万6000円安くなる。昨年発売したところ、1年間で5000枚売れました。今年も4月から発売したところ、売れ行きが好調で、年間1万2000枚の発売を見込んでいます。
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