見えない時間を「支配」する世界トップリーダー1000人が実践する時間術(1/4 ページ)

» 2015年08月14日 08時00分 公開
[谷本有香ITmedia]

集中連載:「世界トップリーダー1000人が実践する時間術」について

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 この記事は谷本有香著、書籍『世界トップリーダー1000人が実践する時間術』(KADOKAWA)から一部抜粋、再編集したものです。

世界の舞台で活躍するエグゼクティブたちが一番大切にしている共通点は、「時間の使い方」。時間を味方につけるための努力や工夫をしています。

例えば、1分を60秒、1時間を60分、1日を1440分、人生を3万日といったように、目的に使う時間の単位を小さくして、大ざっぱに時間を管理することを防いでいるのです。

これは、潜在能力ではなく、後天的に身に付けていくスキルです。時間の長さそのものは変わらなくとも、時間の重みが実感をともなったものになり、これまで以上にリアルに感じられるようになります。


「時間」という見えないものを見る方法

 これまで「時間を味方にしよう」とお話ししてきましたが、ここではあえて少し強い表現を使います。トップリーダーは、時間を「支配」できると考えています。

 文字通り、「時間は勝手に流れていくものではなく、自分が支配しているのだ」という時間をつかさどる感覚です。「時間管理」「スケジュール管理」という言葉は一般的なので、「支配」「管理」と言い換えると分かりやすいでしょうか。

 ここまで強い表現をするのには、理由があります。トップリーダーは本当に時間を自分の思い通りに操っているからです。

 例えば彼らは、時間という本来見えないはずのものを「見る」ことができます。

 具体的な方法は第4章でお話ししますが、彼らの多くはクラウドで管理するスケジュールとは別に、手書きの「手帳」を持っています。

 1カ月の流れを俯瞰できるようマンスリータイプを使っている人もいますし、逆に1日を24時間で表したタイムスケジュール表を自作している人もいます。

(写真と本文は関係ありません)

 使用する時計はデジタルよりもアナログ。私は、取材に限らずさまざまな場面でトップリーダーにお会いしてきましたが、デジタル時計を愛用している人はこれまでに一度も見たことがありません。

 さらに、アナログタイプのなかでも懐中時計を好んで使う人もいます。安宅和人氏(ヤフーCSO)もその1人。以前、雑誌の取材で「アナログタイプの時計は『過ぎた時間』と『残っている時間』をビジュアルで表示するから、時間というものを把握しやすい。『今は何時なのか』という瞬間を表示するデジタルタイプでは、懐中時計のようにはいかない」とお話しされているのを見かけたことがあります。

 それらのツールに共通するのは、「時間の長さや流れを目で見て確認しやすい」、イメージングしやすいということです。つまり、彼らは意識的に時間を「見える化」することで、時の流れに対する感覚を研ぎ澄ませているのです。

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