余談ですが、彼らは決して遅刻をしないかわりに、待ち合わせ時間より早めに到着することもしません。
先に到着して相手を迎えることで優位に立ち、交渉を有利に進めたいなどの思惑があれば別ですが、「相手に失礼のないように」という気付かいは、時間通りに到着するだけで果たされると考えているのでしょう。彼らの時間の価値は私たちより高いのですから、当然といえば当然です。
私がインタビューさせていただいたトップリーダーたちも、多くの場合は約束した時間ちょうどにやってきて、「15分」など自分が指定したインタビュー時間にぴったり収まる話をし、終わればすぐに次のアポイントに向かっていきました。
だからこそ、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授のように、「もう1問だけお願いします」と食い下がる私に対し、なんとかインタビュー時間を割こうと努力してくださる方は、「人格者」として強く印象づけられています。
誰からも「忙しい人だ」「この人の時間の価値は高い」と思われていると、こんな小さな優しさでも人に好印象を与えられるのです。これは、「時間の価値を高める」メリットの1つとして数えてもいいかもしれません。
敵を制するために必要なのは、敵をよく知り、研究することです。
時間を制し、味方にするために、まずは時間の流れや所要時間に敏感になりましょう。それができたとき、あなたも時間を自由に操り、つかさどる感覚に、また一歩近づくことができます。
(つづく)
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