日本メーカー再参入に必要なことは、「結集」だ。
これまで参入できなかった最大の要因は、関係各所が「結集」できていなかったことだ。メーカーは医師のニーズがわからず、一方で医師はメーカーに何ができるか分からない。メーカーは人の命にかかわる分野への参入に及び腰で、さらには複雑な行政システムや業界慣習を突破して事業化できる戦略家もいなかった。
事業戦略のシナリオを描ける人間、医療の専門家、テクノロジーの専門家が結集する。そうすれば、ダ・ヴィンチのように本体・周辺機器・ソフトを1社が独占する閉じた市場ではなく、日本発の手術支援ロボットによるオープンなプラットフォームを生み出せるかもしれない。
医療は、クルマに続いて日本の産業の柱となるべき分野だ。ヒト、モノ、カネ、技術がそろっている日本の強みをいかんなく発揮できる領域である。日本の民間結集によるオープンプラットフォームを成功させれば、日本だけでなく世界中のがん患者に貢献できるだろう。
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