順番に見ていこう。
(1)決まり文句を避け、できるだけ具体的に書く
決まり文句とはこの連載で取り上げているような手垢のついた文言のこと。このようなフレーズを使うと言葉はてきめんに弱くなる。
例えば、以下のようなお店の紹介文があったとする。
当店ではくつろぎの空間でこだわりの鍋料理をおもてなしの心で提供しています。
これでは、鍋料理を提供する店なら、どこでも流用できる典型的な空気コピーだ。これを少しでも強いフレーズにするには、より具体的に書くことだ。
「お座敷に掘ごたつで完全個室。名物『鰯のつみれ』が自慢のちゃんこ鍋で心の芯まで温まれます」といった感じで。
大学のスローガンでも考え方は同じだ。「世界」「未来」「はばたく」「拓く」などの言葉をより具体的に変更するだけでも、強い言葉になる可能性はある。
(2)言葉の化学反応を考える
異質な言葉同士が組み合わされると、お互いが化学反応をおこして強いフレーズになることがある。
例が少し古いが、2009年にトヨタのテレビCMで使われ流行語にもなった「こども店長」は典型的な例だ。「こども」も「店長」もそれぞれは平凡な言葉だが、組み合わされると化学反応がおこって「強い言葉」になった。同じころ、流行語になった「草食男子」「肉食女子」もそうだ。普通は人間には使わない「草食」「肉食」という言葉と、「男子」「女子」との組み合わせが新鮮で「強い言葉」になる。
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