フジテレビが放送する格闘技イベントは成功するのか赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2015年12月10日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

元“氷の皇帝”が登場

 29日は「世界のTK」こと高阪剛がジェームス・トンプソン(英国)を相手に9年半ぶりの現役復帰戦に臨むことも決まっており、同日開催のヘビー級トーナメント1回戦(8選手参加)では北京五輪柔道金メダリストの石井慧が2日後となる31日の同トーナメント準決勝・決勝進出をかけて初陣に臨む。

 同トーナメントでは米国のMMA団体「ベラトール」を主戦場とするキング・モー(米国)が出場選手中の優勝候補筆頭と目されているが、今後に向けてジャンプアップを果たしたい石井としては、いい意味での番狂わせを起こしたいところだ。柔道から鳴り物入りでMMAの世界に身を転じたものの、ここまでこれといった戦績を残すことができていない元メダリストにとって、このトーナメントはまさに正念場だ。

 そして31日の試合では、かつて「人類最強の男」とまで言われ、PRIDEでもヘビー級王者に輝いたエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)が現役引退を表明してから約3年半ぶりに復帰戦を行うことが決定。PRIDE時代は「無敵」と言われたものの、引退間近の2010年から2011年にかけては米MMA団体「Strike force(現在は世界最大手の米MMA団体「UFC」に統合されて消滅)」で3連敗を喫していたこともあり「今さら復帰してもMMAの世界で再び頂点を極めることは難しい」とする有識者も実は大勢いる。

 そんな厳しい分析を覆せるようなファイトをヒョードルが今後再浮上する足がかりとして満天下に見せ付けられるか否かが、この復帰戦における最大の着目点。単に勝つだけではなく、相手に圧勝を果たせなければ元“氷の皇帝”のMMA界における生き残りはかなり厳しいものになるであろう。

 さらに、あのヒクソン・グレイシーの次男であるクロン・グレイシー(ブラジル)が、女子レスリング元世界女王・山本美憂の長男でUFC参戦中の山本“KID”徳郁の甥っ子でもある山本アーセンと対戦する注目カードもこの大晦日で実現する。強者の遺伝子を受け継ぐ“サラブレッド”同士の一戦は非常に興味を引くが、どちらかというと結果よりも、まだMMAデビューを果たしたばかりの27歳・クロンと、レスリング選手で今回がMMAマッチ初挑戦となる19歳のアーセンがそれなりのインパクトを与える試合内容を見せられるかが注目ポイントとなる。

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