新春トレンドカレンダー:どうなる? 日本の未来 〜今年のトレンドはこう動く〜
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» 2016年01月02日 08時28分 公開

2016年、世界中が注目! フィンテック企業「トランスファーワイズ」とは世界を読み解くニュース・サロン(特別編)(3/6 ページ)

[山田敏弘,ITmedia]

既存の送金サービスに不満

 トランスファーワイズはどう機能しているのか。同社のサービスはいわば、送金したい人の「出会い」を提供するようなイメージだ。例えば英国から米国の友人に送金したい場合、トランスファーワイズは英ポンドを顧客から受け取り、米国内の顧客でドルを英国に送金しようとしている人を探す。そして実際に国際的に送金をすることなく、両顧客はカネを送受金できるシステムだ。トランスファーワイズは銀行が介在せず、高い国際送金手数料を回避できるサービスを提供し、顧客から非常に少ない手数料を取る。

 同社は、今では世界4カ国にオフィスを5つ構え、社員数は450人以上にもなる。2015年には米国でオフィスを開設し、米国内での成長率は月に40〜50%だ。今シリコンバレーでは、同社の価値は10億ドル(1208億円)になると噂されている。

 ちなみに金融機関が完全に牛耳ってきた国際送金サービス市場は、世界銀行によれば年間5500億ドル規模(66兆4572億円)であり、今後トランスファーワイズはまだまだ成長が見込まれている。金融機関側からしてみれば、これまで享受してきた実入りのいい既得権益が崩壊しつつあることになる。

 筆者の取材に対し、共同設立者でCEOのターベット・ヒンリクス氏は「国際的にカネを送金する際、銀行のサービスには不満があった。私たちは個人的に経験したそのストレスからビジネスを始めることを決め、5年前にスタートした」と語る。当時英国で働いていたヒンリクス氏はエストニアへの送金でいつもフラストレーションを溜めていた。それが起業の動機になった。

 日本でも、とにかく海外送金というのは手続きが面倒で手間も時間もかかる。さらに手数料も安くはない。マネーロンダリングといった犯罪などの対策も必要だということだろうが、送金先を事前登録したり、送金先の国によっては何度も銀行とやりとりする必要もある。

トランスファーワイズの共同設立者でCEOのターベット・ヒンリクス氏(出典:TransferWise 2015)

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