「SMAPは友情と打算の二重構造」と感じる、これだけの理由スピン経済の歩き方(6/7 ページ)

» 2016年01月26日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

中居くんたち4人の先行きはかなり危うい

 当時、加藤氏、山崎氏とともに「YKK」なんて呼ばれていた小泉氏だったが、加藤氏から内閣不信任案の話を聞かされるやすぐさま議場を駆け巡って、党執行部に「加藤は本気だ」とふれまわった。清和会(森派)の会長を務めていた立場もあり、「クーデター鎮圧側」にまわったのだ。

 それから半年後、小泉氏は「自民党をぶっ壊す」という例のフレーズで、最高権力者の椅子に座っている。半年前までは、永田町で「ポスト森」といえば加藤氏であって、小泉氏の名前などまったくでなかった。

 これまで芸能報道では、木村さんは他のSMAPメンバーとともに飯島マネージャー派ということで、事務所内では傍流とされていた。それがここにきてマッチ、ヒガシと並ぶ大幹部の一員として躍り出たというのは、「加藤の乱」後に急速に永田町で存在感を増した小泉氏の姿と丸かぶりである。

 「中居の乱」と「加藤の乱」の構造が同じだとすれば、中居くんたち4人の先行きはかなり危うい。

 党執行部から、お咎めなしとなった加藤氏だったが、「クーデター首謀者」のイメージ付けが執拗に行なわれた結果、少しでも調子にのった発言をすると即座に叩かれるという状況がしばらく続いた。例えば、加藤氏が支援者に「加藤の乱」の正当性を訴えたなんて情報が少しでも流れると、野中氏が「加藤紘一は甘えすぎ」「子供っぽい」「育ててくれたみなさんにおわびをすべき」(産経新聞2001年1月16日)という談話を発して灸をすえたものだ。

 中居くんたちも同様に事務所からは「お咎めなし」ということになっているが、忠誠心が足りないとみなされれば、スポーツ紙などを用いた激しい「中居おろし」が再び行なわれる可能性は否めない。ただ、それよりも用心しなくてはいけないのは、スキャンダルだろう。

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