いくら、この先もブルペンやフリー打撃などの練習においていい内容であったとしても、あるいはオープン戦などの実戦登板で好投しようとも、過剰なヨイショは禁物だろう。忘れてはいけないのが松坂は昨季1度も一軍のマウンドに立てていないということだ。
1年ごとに換算すれば、松坂の年俸は出来高を除いた基本給だけでも4億円。昨季は1勝もできないどころかゼロ登板でまったく仕事ができなかったものの、この巨額をごっそり手にできたことになる。そんな松坂のあまりにも恵まれた待遇に対し、実は米球界から「?」の声が出ている。
その声の主は、かつての“上司”。現在はシカゴ・カブスで球団副社長を務めるセオ・エプスタイン氏だ。2006年オフに松坂が西武ライオンズからポスティングシステム(入札制度)を使ってメジャー移籍を果たす際、当時ボストン・レッドソックスのGMだった同氏は約5000万ドルの入札金によって交渉権を獲得し、6年5200万ドルの巨額契約を結んで当人の入団にこぎつけた人物である。
「ダイスケについては今も応援している。しかし(ソフトバンク)ホークスが結んだ契約はここまでの流れを見る限り、彼のプラス材料になっていない。メジャーリーグで一定の成績が出せなくなった日本人選手をUターンさせるため大盤振る舞いを持ちかけ、獲得に動こうとすることは日本のプロ野球球団によくありがちな傾向だ。成績が下がっているにもかかわらずビッグオファーを出せば、その選手に甘えが生じる危険性がある。こうした流れに、ここまでのダイスケとホークスが残念ながら当てはまってしまっているように見受けられる」
これはエプスタイン氏が今年1月21日(現地時間)にカブスの地元シカゴのテレビ局「WGN・TV」の番組でインタビューに答え、かつてのレッドソックスGM時代に松坂獲得に尽力したことを語っていた際に口にしたコメントである。
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