賭博問題からどう這い上がるのか 地に堕ちた読売巨人軍赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2016年03月09日 11時17分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 球界の盟主が地に堕ちた。巨人は3月8日、東京都内で緊急記者会見を開き、高木京介投手が野球賭博に関与していたことを発表した。

 2015年10月に発覚した一連の巨人所属選手による野球賭博問題(関連記事)。笠原将生投手、福田聡志投手、松本竜也投手の巨人3選手が野球賭博に関与していたとしてNPB(日本野球機構)の熊崎勝彦コミッショナーから無期失格の処分が下され、巨人からも契約を解除されていた。この3人の元投手だけでなく、今回新たに4人目の高木も一連の問題に関わっていた事実が発覚したことは巨人に計り知れないダメージを与えることになる。

 球団側が発表したところによれば、次のような流れで高木の関与が明らかになったという。まず2月29日に『週刊文春』(文藝春秋)から球団職員に対して高木の野球賭博関与についての取材があったことを受け、球団は高木本人を改めて事情聴取。高木は当初「笠原に名前を貸していただけで、笠原が自分の名前を使って野球賭博をしていた」と弁明していたものの後に虚偽であったことが判明し、本人も笠原と口裏合わせをした上でのまったくのデタラメであったと認めた。

 そうしたことから球団が外部の弁護士に依頼して事実関係の確認作業を行ったところ、高木は笠原投手から持ちかけられて2014年シーズンに3〜4回、合計で8〜9試合を対象に現金を賭けて野球賭博を行っていた事実をようやく認め、今回の問題発覚に至った。

 球界全体で再発防止に取り組み、12球団一丸となってクリーンなイメージを打ち出し、新たなシーズンを迎えようとしていた矢先に当の巨人がまたしても最悪の事態を引き起こしてしまった。これはもう、まさにお粗末としか言いようがない。

『週刊文春』の取材を受け、高木京介投手の賭博問題が明らかになった(写真はイメージです)
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