原監督は“対岸の火事”でいいのか 巨人を襲った野球賭博問題赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2015年10月07日 11時03分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 プロ野球界を揺るがす一大スキャンダルとなってしまった。巨人は5日、福田聡志投手が野球賭博に関わった疑いがあるとして同投手を謹慎処分にし、日本野球機構(NPB)に告発したことを公表した。

 球団側の調査によると同投手は自称・税理士法人勤務の男性A氏から野球の試合で賭けをしないかと誘われ、今年8月に全国高校野球選手権大会の複数の試合を対象にした賭けに参加。大きな損失が生じてしまったため、その後も何とか負けた分を取り返そうと自らの所属する巨人の試合も含めたプロ野球の試合とメジャーリーグの試合で賭けを行ったが、最終的にマイナス額は百数十万円にまで膨れ上がったという。9月初旬には近く子どもが生まれることから賭けを止めようと思い、福田はA氏からの連絡を無視するようになったが、結果的にこれが醜聞発覚のきっかけへとつながった。

 9月30日にA氏は読売ジャイアンツ球場を訪れて関係者に「福田の借金を取り立てに来た」と説明し、福田本人との面会も求めたことで球団側が事態を把握。A氏に福田を紹介した人物が同じく所属選手の笠原将生投手であったことも判明し、同日付で球団は福田と笠原の両選手を謹慎処分としたことを明かした。NPBの熊崎勝彦コミッショナーが同日付で発足させた調査委員会の調査が迅速に行われることをニラみながら、2選手に対しては近々に厳しい処分を下すことも球団側は明言している。

 野球協約のうち、所属球団が直接関与する試合の賭けを禁じた177条、もしくは出場しない試合への賭けを禁じた180条のいずれかに違反するとしており、球団側はコミッショナーにその判断を仰いでいる。しかしながら、これほどまでにプロ野球界だけでなく社会全体にまで大きな波紋を広げてしまった福田、笠原の2選手の愚行にはいかなる理由があったにせよ同情の余地などない。特に賭博行為に直接及んだ福田に対しては177条に抵触した場合に下される「プロ野球界からの永久追放処分」を問答無用で課すべきだとの声も数多く出ている。

プロ野球界が賭博問題で大きく揺れている
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.