原監督は“対岸の火事”でいいのか 巨人を襲った野球賭博問題赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2015年10月07日 11時03分 公開
[臼北信行ITmedia]

管理責任を問われるべき

 原監督は喋(しゃべ)ってはいけない、などとは言わない。だが、少なくとも報道陣を笑わせているような状況ではないだろう。チームを預かる指揮官として今回の問題発覚を厳粛に受け止め、もっと神妙にしなければいけないはずだ。そう思ったのは、その場にいた1人や2人ではないだろう。

 確かに原監督は指導者として数々の功績を残し、優秀な指揮官であるのは間違いないが、こういう“KY”なところは決して誉められるところではない。「今回の問題発覚によってチーム全体が暗い雰囲気になっていたから原監督はチームを盛り上げようと、あえて明るいムードにしようとしたのではないか」と思った人は申し訳ないが、相当の原監督信者か、もしくは楽天家だろう。「あまりに不謹慎な行為」ととらわれても仕方がない。

 福田は右ひじ手術明けの影響によって今季一軍登板が一度もないとはいえ、2014年まではリリーフ投手として活躍していた主力だ。原監督はかつて、その福田を一軍マウンドで「勝利の方程式」に組み込むほどに能力を買っていた時期もある。そのストッパー右腕について仮に「問題が発覚した当時は二軍だったのだから自分には関係ない」というスタンスでいるとしたらチームの指揮官としては不適格であり、まったくもってナンセンスだ。しかも、もう1人の当事者・笠原は今季一軍で20試合投げており、直近では8月9日の広島戦で一軍のマウンドに立っている。原監督はこの2選手についての管理責任を問われて然るべきであろう。

 それまで巨人において最大の関心事だった原監督の来季去就についての結論が今回の賭博問題発覚によって、自然とペンディングになったのは事実(関連記事)。指揮官の去就に関する球団親会社・読売本社トップクラス間の話し合いがウヤムヤになってしまい、そのまま半ばなし崩し的に来季続投が決まる可能性も出てきた。「だから続投を熱望する原監督は普通ならば誰もが顔をしかめるはずの大問題発覚に直面しても、その場に不釣合いなハイテンションになっていたのではないか」――。周囲から、そういう色眼鏡で見られている向きも実際のところある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.