原監督は“対岸の火事”でいいのか 巨人を襲った野球賭博問題赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2015年10月07日 11時03分 公開
[臼北信行ITmedia]

巨人の責任は「重罪」

 素性が明らかになっていないA氏についても「暴力団関係者ではないのか」という疑念は拭(ぬぐ)えない。巨人側は「今のところそういう情報はない」としているが、果たして本当にそうなのか。有力筋からは「どうやらA氏はプロ野球大物OBと密接な関係を持つ元暴力団関係者で、現在も“黒い世界”と密接なつながりがあるようだ」との怪情報も聞こえてきている。もし、これが本当に事実だとするならば、A氏と“黒い交際”を持った福田、笠原だけでなく巨人も「アウト」だろう。

 この問題は当事者である福田と笠原だけに責任を負わせ、終わらせてはいけない。2選手の所属球団である巨人の責任も「重罪」に値する。巨人と契約を交わして所属選手となっている身である以上、福田と笠原の管理をしているのは球団代表らフロント幹部であり一軍を預かる原辰徳監督らチームスタッフである。そう考えると当然ながら「管理不行き届き」という問題へと発展することは避けられず、このまま球団人事がまったくの無風で終わることは許されない。間違いなく誰かが責任を取らなければいけないだろう。

 個人的に気になったのは、球団が問題を公表した翌6日の原辰徳監督の言動だ。白石興二郎オーナー、久保博球団社長ら球団幹部が東京ドームを訪れ、チーム練習を再開した一軍メンバーに事情説明を行った後に報道陣へ対応。CS(クライマックスシリーズ)ファーストステージに向けた対策などについて述べた後、一連の賭博騒動に関して触れ「監督として非常に心が痛いし、いいニュースではない。事の大きさを受け止めています。気を引き締めて取り組んでいく」などとコメントした。

 ところがこの辺りまではまだよかったものの、その後の原監督は急にテンションを上げながら自身の昔話を口にし始めて取り囲んだ30人近い大勢のメディア関係者を時に笑わせながら熱弁を振るい、時間はトータルで実に約1時間にも及んだと聞く。その姿は、誰の目にも「ご機嫌そのもの」であったという。

原監督は報道陣の前で“ご機嫌”だった(写真はイメージです)

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