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» 2016年04月11日 08時00分 公開

銀座で学んだこと:銀座のホステスは「売上アップ」のために何をしているのか (2/4)

[桃谷優希,ITmedia]

周囲との距離感を把握する

 では、銀座のクラブのホステスは、お客さまのリピート率(集客・売り上げ)を上げるために、実際どのような営業をしているのでしょうか?

 私が思うポイントは2つ。1つは「周囲との距離感を把握する」こと。もう1つは「揺れ木術」です。まず、距離感を把握することについてご説明しましょう。

 ホステスに限らず、接客において最も重要なのはお客さまに対する真心や思いやりです。ところが、客観的に考えてみると、これらは自分の思い込みの上に成り立っていることに気付くと思います。

 例えば、ゴホゴホと咳が止まらないお客さまが来店したとします。席でのどあめをそっとお渡しし、お帰りの際にも封を切っていないモノをお渡しする――という行動は、一見とても気が利いているように思います。

 しかし、ここで「相手との距離感」を把握しないと、思いもよらない受け取り方をされることもあります。同じ行動でも、前回はご機嫌になってもらえたとしても、今回もまたそれがベストとは限りません。お客さまとしては、咳が止まらないことに気を遣ってほしくないと思っているかもしれません。

 同じ対応でも「ありがとう、大丈夫だよ」と言ってくれる人もいれば、「おせっかいだなあ」と気分を害する人もいます。ですから、ホステスはその人の雰囲気と状況を即座に感じ取り、距離を考えなくてはならないのです。

 また、この距離感を把握するということは、お客さまに対してだけでなく、同僚などの周りの人にも通用します。

 誰でも1人で立派に仕事ができるようになるまでは、先輩の仕事のサポートをしたり、ノウハウを教えてもらったりして、徐々に仕事を覚えていきます。ホステスも同じで、ヘルプと呼ばれる新入社員時代は、お姉さんたち先輩のお客さまの席に着かせてもらって仕事のイロハを学んでいきます。ここでも先輩との距離感を保たないと「生意気だ」と言われてつぶされたり、本来の仕事よりやることが増えたり、気苦労が多くなることがあります。

 重要なのは、お客さまや同僚に対して自らを売り込むことが仕事の目的ではないということ。“お客さまをいい気分”にし、なおかつ同僚を“不快にしない”ことが、新入生が学ぶべきことではないでしょうか。

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