今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
「ヒロシマ」が再び注目されている。
4月10日から、広島県広島市でG7(主要7カ国)の外相会議が行われた。第二次世界大戦で広島と長崎に原爆を投下した米国の国務長官が平和記念公園を訪問するのは史上初のことで、ジョン・ケリー国務長官は米政府で同公園を訪問した最高位の人物となった。
そして今、ケリー国務長官の訪問が、5月に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で訪日するバラク・オバマ大統領が広島を訪問する「地ならし」ではないかと見る向きがある。というのも、ローズ・ガテマラー米国務次官が3月、オバマが伊勢志摩サミットに合わせて広島を訪問する可能性を「ホワイトハウスが検討している」と語ったとも報じられているからだ。
それだけではない。4月に入ってオバマの友人でもあるジョン・ルース元在日米国大使が米メディアの取材に応じ、「大統領は(広島に)ぜひ訪れたいだろう」と述べている。つまりオバマ自身も行けるものなら行きたいと考えているようである。
5月のオバマ訪日まで約1カ月となる今、電撃的な広島訪問が実現する可能性はあるのだろうか。現在、おそらくオバマが大統領に就任してから、もっとも広島訪問の現実味が高まっている。だがその一方で、広島訪問を実現するのにはいくつか懸案事項が立ちはだかる。オバマは広島への歴史的な訪問を実現できるのか――。
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