「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
2016年4月14日21時26分ごろ、熊本地震が発生した。そして、5日後の19日18時、熊本県内にある大手コンビニ3社の店舗をみると、約97%が再開しているそうだ(参照リンク)。
このニュースを聞いて、ほとんどの人は「それはよかった。残りの3%も早く復旧して、100%になってくれれば」と思っただろう。しかし、かつて大手コンビニの本部で働き、その後オーナーを務めていた筆者としては、このニュースを手放しで喜ぶことができなかった。震災時において、コンビニを開け続ける難しさを知っているからだ。
東日本大震災が発生したとき、筆者は関東圏で店舗を運営していた。直接的な被害はなかったものの、大きな揺れが収まった後の店内はひどいものだった。商品は棚から落ち、在庫として積み上げていた缶コーヒーは床にバラ撒かれ、調理用のフライヤーからは油がこぼれ床がヌルヌルに。
この程度の状況においても店内はパニック状態だったのに、震源地に近い店はどうだったのか、その場にいなかった者には想像すらできないだろう。
東日本大震災でも、熊本地震でもコンビニは、すぐに営業を再開している。自身も被災者であるにもかかわらず、なぜコンビニは営業を再開できたのか。また、再開にあたってどんな壁があるのか。
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