東京メトロは4月27日、九段下駅で電車がベビーカーを挟んだまま走行した事故を受け、再発防止策を公表した。ドアの異物検知の精度向上や警備員の増員、緊急停止の訓練、非常停止合図器とATCの連動による自動停止──などを導入する。
事故は今月4日、半蔵門線九段下駅で起きた。ドアが空のベビーカーの左前輪部分を挟んだまま発車し、ベビーカーは大破。けが人はいなかった。車掌が目視点検で気付かず、非常ボタンによる警報音が鳴った後も非常停止しなかった。
東京メトロは(1)ベビーカーがドアに挟まれていることに気がつかなかった、(2)異常時において列車停止手配が取れなかった──の2点が問題だとして、再発防止策を講じる。
具体的には、これまで厚さ15ミリだったドアの異物挟み検知精度を厚さ10ミリに変更し、ドアのゴム部分の形状を検討するなどして精度を向上させる。またホーム上の警備員を順次増員するほか、ホームドアの早期導入を進める。
列車停止については、非常停止合図器が操作された際に自動停止するよう、ATCとの連動化を図る。これまでは「駅構内で火災が発生した場合に駅を通過する必要がある」として導入していなかったが、自動停止後に状況に応じてすぐに運転再開できる仕組みにすることで対応する。ホームドア設置に時間がかかる路線から早期に導入する計画だ。
また車内非常通報ブザーが鳴った場合、車掌は非常ブレーキスイッチを扱うよう具体的に定める。既に車掌業務に従事する約950人を対象に実車訓練を実施済みで、見習い訓練でも教育機関を延長して導入するほか、今後も定期的に行う。
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