今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
バラク・オバマ米大統領は4月20日、サウジアラビアを訪問した。
近年関係がこじれているサウジで、オバマは原油価格や、シリアのIS(イスラミックステート)の問題について話し合った。そしてその足で英国を訪れた。
英国では、90歳の誕生日を祝うエリザベス女王との昼食会に出席し、ウィリアム王子などとの晩餐会に出て、デービッド・キャメロン首相とはゴルフのラウンドを楽しんだ。言うまでもなく、親密な同盟国として両国の関係は特別なものである。
オバマがサウジや英国を訪問する直前、米アトランティック誌は、オバマの外交に焦点を置いたインタビュー記事を掲載した(参照リンク)。これまでにないほど深くオバマに迫ったその長編記事は、オバマの側近らへの取材も含まれ、合計19ページにもおよぶ。これは同誌の歴史上、最長のページ数だという。
このインタビューでオバマは国際情勢のさまざまなトピックについて、これまでになく“ぶっちゃけ気味”に語っている。そんな中でも特にこのタイミングで興味深く感じたのは、オバマと英国との関係性に触れた部分である。その発言からは、オバマが外交において同盟国に何を求めているのかが垣間見られる。そしてそこには、オバマが別の同盟国である日本に対してどういう態度で接してきたのか、ヒントが見え隠れする。
このインタビュー記事を執筆したのは、著名な米ジャーナリストのジェフリー・ゴールドバーグ記者だ。ゴールドバーグは、イリノイ州選出の上院議員時代からオバマを取材しており、この記事を執筆するまでに、ホワイトハウスやエアフォースワン(大統領専用機)、外国訪問先で幾度となくオバマへのインタビューを行っている。
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