三菱自動車の燃費データ不正問題で、同社は5月18日、相川哲郎社長が6月24日付で辞任すると発表した。燃費不正問題は当初の軽4車種から「パジェロ」など4車種にも拡大。同社は「経営陣の直接の指示はなかった」とする一方、「お客様を始めとするステークホルダーに多大なる迷惑をかけた」として退任する。
後任は今後決める。中尾龍吾副社長も辞任する。
同日、国土交通省に現時点の調査結果を報告。不正が発覚した軽4車種については、燃費目標の達成を担当管理職が子会社に丸投げし、目標のデータを得られなかった子会社の担当者がデータを不正に作成した経緯などを明らかにした。競合車との競争に勝つため、経営陣からの強い燃費向上の期待も背景にあったという。
また「アウトランダーPHEV」「デリカ D:5」「RVR」「パジェロ」の4車種でも不正が確認された。パジェロのガソリン車では、過去の測定データの中から、転がり抵抗と空気抵抗を別の車の低い値から恣意的に組み合わせていたという。
経営陣の関与については「直接の指示はなく、開発プロセスを適正に管理する体制を構築していた」とした一方、(1)開発部門の業務実態を十分把握できていなかった、(2)経営陣からの開発日程の短縮や高い燃費目標を期待する発言が、結果的に不正が生まれる環境を作ったと思われる──とし、社内管理体制なども不十分だったと認めた。
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