銀座のホステスに学ぶ営業術 毎日を収穫シーズンにする「種」作りとは銀座で学んだこと(3/4 ページ)

» 2016年06月06日 07時06分 公開
[桃谷優希ITmedia]

「種」はブランド

 営業の仕事は、毎月の売り上げがゼロにならないようにすること。「種」を作りまき続けることで、「毎日が収穫シーズン」という状況を作り出すのです。

 種を作るのに重要なのは生産性です。もし、あなたが日々、何も考えていないのであれば、それは種作りがうまくできていないからではないでしょうか。そういう場合は、何か1つテーマを絞って考えてみることをオススメします。

 例えば、ゴルフ。全くの初心者でも、ルールを勉強したり、道具をそろえて打ちっぱなしの練習に行ったりすれば、「もっとうまくなりたい」「もっとスコアを伸ばしたい」という気持ちが強くなってさらに練習に力が入るようになるでしょう。そして、ゴルフをやっている人たちと会話するようになって、コミュニケーションの輪が広がってきます。

 最初のうちはゴルフボールを当てることすらできなくても、次第に当たるようになってきます。ここに「種」の素(もと)があります。アイアンで飛ばなかったのに、いい感じに飛ぶようになってくれば種が形作られてきたということ。スコアは120で回っていたのに、やがて100を切り、80〜70台で安定してきたら、それはもう立派な「まける種」です。

 種ができたら、次はそれをまかなけれないけません。例えば、A社の山田さんという方と名刺交換の機会があったとします。山田さんの日焼け具合から「ゴルフが好き」と察しが付けば、名門のゴルフ場やスコアの話をすることで、山田さんに“ゴルフがうまい人”という印象を残せます。

 仮に、山田さんがあなたのことを「ゴルフ自慢のイヤな奴だ」と思ったとしても、巡り巡ってあなたのまいた種がうわさとなりA社のコンペに呼ばれるなど、あなたの種が芽生える可能性があります。

 強烈な印象を植え付けることができれば、あなたの種はすでに相手の庭にまかれています。それが雑草か咲き誇るバラなのかは別として、それを収穫できるかどうかは個々の営業努力にかかってきます。

 個人や会社というのは、ある種の「ブランド」。ドラマチックな生き方やうわさを材料にした種は、売り物になる可能性を秘めています。まいてすぐに収穫できる奇跡のような種もあれば、半年あるいは1年経って収穫できる種もあります。しかし、種さえまいておけば「今が旬、食べごろですよ」とプレゼンし、販売に展開できるようになります。

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