「藤原紀香さんがハマっているので、水素水は売れる!」は本当かスピン経済の歩き方(5/5 ページ)

» 2016年06月14日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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「ブレイク」の匂いがプンプン

 このような「実績」を考えると、紀香さんがプッシュする「水素水」をはじめとする「水素関連商品」も同様の現象が起こる可能性がある。つまり、エセ科学否定派や「アンチ紀香」のみなさんがボコボコに叩くことで、絶大な宣伝効果を生み出し、一部消費者の支持を獲得していくのだ。まさに「悪名は無名に勝る」を地でいく捨て身のマーケティングといえよう。

 なかでも今後、「台風の目」となると思われるのが、「水素風呂」だ。今年3月、紀香さんとご結婚された片岡愛之助さんが会見でレポーターにこんなことをおっしゃった。

レポーター:藤原紀香さんと付き合って変わったな、と思うのはなんですか?

愛之助:お風呂ですね。前はお風呂に長く入っていられなかったけど、1時間くらい入るようになりました。

レポーター:それはどうしてですか。

愛之助:水素風呂ですね。昨日、この番組でもやってましたよね。

 「水素風呂」が「紀香のイチオシ」だということは、紀香さんがオススメ商品を紹介する通販サイト『紀香バディ!コム』で、「マーメイド水素バブルバス」なる商品を扱っていることからもうかがえる。

 実はこの製品、紀香さんの専属トレーナーで、「加圧トレーニング」で注目を集めた加藤紘子さんがプロデュースされている。「加圧」を世のに定着させたゴールデンコンビが再びタッグを組むわけだ。これでブレイクしないわけがない。

 昨年5月、あるバラエティ番組で、紀香さんのプライベートに密着。そこでは、「マーメイド水素バブルバス」や「水素サプリ」を紹介して、こんなことをおっしゃった。

 「水素はすごくこれから人間を救っていく」

 当時はネットで「藤原紀香が水素水にのめりこんでヤバい」なんて心無いことを言う人も多かったが、1年経過してみると、これからの「水素水ビジネス」の活況を「予言」しているように聞こえなくもない。

 新たな「紀香銘柄」となった「水素水」の今後に注目したい。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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